ブシロード第3四半期減収減益 モバイルゲーム不調で通期予想下方修正

ファイナンス決算

 2019年の東京証券取引所グロース市場上場以来、高い成長を続けてきたブシロードが、2024年6月期は苦戦している。
 5月14日に発表した第3四半期連結決算は、売上高が前年比で6.5%減収の328億5800万円になったほか、利益面で大きな下げとなった。営業利益は96.5%減の7000万円、経常利益は75.7%減の6億5300万円、第3四半期まででは純損失(2500万円)に転じた。
 ブシロードでは当初見通していた業績の達成は難しいとして、通期業績予想を下方修正した。連結売上高は510億円から450億円、営業利益は20億円から7億円、経常利益は23億円から13億円、当期純利益は12億3400万円から6億円にそれぞれ引き下げる。

 不振の大きな理由は、モバイルゲームの不調だ。モバイルゲームが中心となるデジタルコンテンツユニットの第3四半期までの売上は46億8600万円、前年比28%減で赤字となっている。市場環境の悪化を理由としているが、対応が遅れている。期間中に運営のコンパクト化を目指して「戦姫絶唱シンフォギア XD UNLIMITED」、「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル 2 MIRACLE LIVE!」、「新日本プロレス STRONG SPIRITS」の3タイトルのサービスを終了したが、クローズに伴う売上減少と費用負担が業績に影響した。
 新たにコンソールゲームに注力して「マクロス -Shooting Insight-」など2作品を発売したが、開発費が先行している。ただし今後は一部ゲームのサービス終了で、赤字幅は縮小する見込みだ。またコンソールゲームの新商品のリリースが増えることも業績改善につながりそうだ。

 トレーディングカード事業のTCGユニットは「Shadowverse EVOLVE」が軟調だったが、「ヴァイスシュヴァルツ」「カードファイト!! ヴァンガード」は堅調だった。今後は24年4月に発売した「プロ野球カードゲーム ドリームオーダー」の展開に期待する。またTCG開発の遊宝洞との資本業務提携し、TCG製造のマレーシア企業 Gorin Technical Industry をグループ会社化するなど、事業拡大と総合的な体制固めを進める。
 ライブエンタメユニットは「バンドリ!」のユニットの音楽ライブなどを中心に堅調、マーチャンダイジングユニットも「バンドリ!」関連の売上が中心となった。スポーツ事業は新日本プロレスのビッグマッチ「WRESTLE KINGDOM 18」を中心に堅調だったとしている。今後はスターダムを新日本プロレスの子会社とすることで、業務効率化を目指す。

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