2016年10月15日から11月6日まで、東京・千代田区のアーツ千代田 3331にて、「文化庁メディア芸術祭20周年企画展―変える力」が開催される。毎年2月の受賞作品展でお馴染みの文化庁メディア芸術祭が1997年のスタートから20周年を迎えたのを記念した企画である。
文化庁メディア芸術祭の20年間の歩みを辿るだけでなく、メディア芸術とそれを取り巻く社会、文化、テクノロジーの変化を読み解く。アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4分野それぞれの監修者が歴代受賞作品を中心に「変化」をテーマにキュレーションした。
メイン会場のアーツ千代田 3331は、秋葉原エリアの中心に近く、メディア芸術らしい場所となっている。入場は無料で、会期中は無休、会場時間は11時から19時までとなる。このほかNTTインターコミュニケーション・センター(ICC)やUDX THEATER、国立新美術館などにサテライト会場が設けられる。
展覧会の内容や詳細は、20周年企画展ウェブサイトに確認できる。また期間中のイベントなども順次発表される。
1990年代半ば、アニメやマンガ、ゲーム、そしてネットを中心としたインタラクティブメディアは得体の知らないものだった。エンタテインメントとして消費された後は、そのまま過ぎ去り、残されることのない消耗品と見られていた。
1997年にスタートした文化庁メディア芸術祭は、そうした行き場のなかったデジタルアート、アニメーション、マンガ、ゲームやガジットを「メディア芸術」として括り、時代の最先端の動きとして提示した。アートとして評価することで、歴史に残す価値があると、人々の認識を変えるのに大きな役割を果たした。
当初は2000人あまりだった文化庁メディア芸術祭来場者数は、2016年には4万人近くにもなっている。過去20年間にマンガやアニメ、ゲーム関連の展覧会、企画展、コンサートやライブパフォーンスが増えているのも、メディア芸術の存在感が大きくなった証だ。
20周年展には、興味深い作品の数々が紹介される。アニメーション部門では第6回特別賞の映画『ほしのこえ』がまず注目だ。メディア芸術祭が早くから新海誠監督の作品を高く評価していたことが分かる。第12回大賞の『つみきのいえ』(加藤久仁生)は米国アカデミー賞短編部門も受賞した。さらに『頭山』、『魔法少女まどか☆マギカ』、『フミコの告白』、『サマーウォーズ』ほか、映画、テレビ、国内外の短編とその幅に広さは、メディア芸術祭ならではだ。アニメーション部門の監修はアニメ・特撮研究家の氷川竜介氏が務めた。
またアート部門は関口敦仁氏、エンターテインメント部門は伊藤ガビン氏、マンガ部門伊藤剛氏が監修している。とりあげる作品はいまではスタンダードになった名作も多い。傑作を振り返ると共にメディア芸術祭の先見性も感じ取れるだろう。
文化庁メディア芸術祭20周年企画展―変える力
http://20anniv.j-mediaarts.jp/
会期 2016年10月15日(土)~11月6日(日)
[会場]
メイン会場:アーツ千代田 3331 11:00~19:00(会期中無休)
サテライト会場:NTTインターコミュニケーション・センター[ ICC]、UDX THEATER、国立新美術館 他
入場料 無料 ※一部のイベントは有料
主催:文化庁メディア芸術祭20周年企画展実行委員会
協力:アーツ千代田 3331