2019年2月期の松竹の連結決算は、減収減益で終わった。演劇部門は順調だったが、主力の映像関連事業で伸び悩んだ。
連結売上高は908億2700万円(2.2%増)、営業利益は45億6500万円(29.4%減)、経常利益は40億5400万円(29.8%減)、当期純利益は25億9600万円(30.7%減)である。利益面での下げ幅が大きかった。
映像事業は、映画、テレビ制作、映像ソフト、番組販売、放送で構成する。売上高は482億6800万円(6.7%減)、営業利益は7億6300万円(72.1%減)だ。
映画配給では『空飛ぶタイヤ』がヒットになったが、『パーフェクトワールド 君といる奇跡』『旅猫リポート』が不調、ヒット作に望まれなかった。映画興行は話題作が多かった夏から秋、冬休みにかけて順調だった。
配給作品にアニメの占める率が高いのも松竹の特長だ。邦画13作品に対して、アニメはほぼ同数の12作品。洋画の7作品を大きく上回る。期中は「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」シリーズ、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 誕生 赤い彗星』、『機動戦士ガンダムNT』など手堅い人気シリーズを中心に『リズと青い鳥』、『ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow』といった話題作があった。
また映像ソフトでは、『魔法使いの嫁』、『銀河英雄伝説 Die Neue These』が主力に、海外販売でも中国向けにアニメの引き合いがあったとしている。その他事業で自社配給アニメ作品のプログラムが好調と、様々な事業でアニメが役割を果たしている。
演劇事業は、売上高は264億円(5.6%増)、営業利益19億5000万円9.0%増)。歌舞伎を中心に順調だった。
不動産事業はは105億5500万円(2.2%増)、営業利益45億9400万円(3.3%増)。歌舞伎座タワー、銀座松竹スクエア、東劇ビル、新宿ピカデリー、有楽町センタービルなどが高稼働率を維持して、高利益率が続いている。
今期の見通しについては、堅実な成長を予定する。年間売上高は8%増の981億円、営業利益が50億円(9.5%増)、経常利益が45億円(11.0%増)、当期純利益は28億7000万円(10.5%増)だ。