松竹2024年2月期、回復基調が続く 映像事業は黒字転換

ファイナンス決算

 2024年2月期の通期決算を松竹が発表した。連結で売上高が前年比9.2%増の854億2800万円となり、また営業利益も前期の7億7600万円の損失から35億8400万円の黒字に転換した。コロナ禍から着実に回復途上にある。
 経常利益は28億6600万円(110.8%増)、当期純利益は30億1600万円(45%減)。特別利益を41億1000万円、特別損失を18億1800万円計上している。

 24年2月期で注目されるのは、主力の映像関連事業の黒字復帰だろう。売上高は458億100万円(11.0%増)と全体の5割以上を占める。営業利益は25億6100万円と前年の13億7100万円の赤字から急回復している。期間中に『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』、『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』と配給作品の大型ヒットがあったことが大きかった。
 配給はこれらを含めて、邦画9作品、洋画4作品、アニメ9作品との内訳だ。アニメの本数の多さは継続している。このほかシネマ歌舞伎、METライブビューイングなど、新しい劇場興行も活発である。
 興行は2023年から24年にかけてヒット作が多かったことで安定している。このほかドラマを中心にテレビ制作、またDVD・ブルーレイディスク販売の映像版権、配信向けの販売などを手がけた。
 
 演劇事業は、引き続き歌舞伎や舞台などが中心だ。しかし、こちらは黒字化にはいアtらなかった。売上高は243億5600万円(7.4%増)と増収であったが、営業損失は7億400万円だ。前年の10億5900万円よりは改善がみられた。
 不動産事業派は、売上高128億3900万円(6.8%増)、営業利益が55億600万円(7.8%増)だった。今後は中長期戦略として発表されている東銀座地区の再開発が注目されそうだ。

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