松竹の通期決算が3期ぶり最終黒字、19年ぶりの社長交代も発表

ファイナンス決算

 コロナ渦で打撃を受けていた松竹の業績が引き続き回復基調だ。2023年4月14日に発表された2023年2月期連結決算で売上高が前期から増加しただけでなく、経常利益、当期純利益で3期ぶりに黒字に浮上した。
 通期売上高は782億1200万円(8.9%増)となった。依然7億7600万円の営業損失を計上するが、前年の40億500万円から大幅に改善した。経常利益と当期純利益は黒字に浮上し、それぞれ13億5900万円と54億8400万円となっている。利益率の高い放映権販売が当初見込みより高水準であったことや、演劇事業の回復が業績を支えた。

 映画を中心とした映像事業は売上高が412億8400万円(1.6%増)、営業損失が13億7100万円(前年同期は18億9000万円損失)だった。
 配給は邦画14作品、洋画3作品、アニメ11作品などで、アニメの数が多いのも特徴になっている。このうち興行収入10億円以上は7作品、さらに『かがみの孤城』、『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVEスターリッシュツアーズ』、『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』、映画『ゆるキャン△』、『劇場版 Free!-the Final Stroke-』後編と5本がアニメとなっている。しかし配給では当初想定に満たない作品もあり、興行全体も想定を下回った。

 演劇事業の売上高は226億6800万円(44.1%増)、営業損失は10億5900万円(前年同期は40億6800万円の損失)だ。期中には公演の一部中止もあったが、コロナ禍対応が進んだ。
 不動産事業は歌舞伎座タワーや銀座松竹スクエアなどの主要物件が高稼働していることから、堅調だった。売上高は120億2600万円(0.3%増)、営業利益は51億700万円(1.4%増)だ。

 決算発表に合わせて、経営陣について大きな発表もあった。代表取締役社長の迫本淳一氏が代表取締役会長 会長執行役員に異動し、新たに専務取締役の髙橋敏弘氏が代表取締役社長 社長執行役員に就任する。松竹の社長交代は19年ぶりになる。髙橋敏弘氏は1967年生まれ56歳、1990年に松竹に入社、経営企画部グループ企画室長や映像本部映像統括部長、映像本部長を歴任してきた。
 また代表取締役 副社長執行役員には、代表取締役専務の武中雅人氏が就任する。武中氏は演劇事業関連のキャリアが豊富だ。

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