映画・演劇の松竹の今期(2025年2月期)業績が、最終赤字になりそうだ。松竹は2024年10月11日、第2四半期の決算と通期連結業績予想の修正を発表した。
第2四半期までの連結売上高は395億8700万円と前期比7.7%減で、営業利益は7億1500万円と69.6%の減少となった。また経常損失が31億4800万円の損失、純損失6億8100万円と、利益面ではマイナスに転じた。
これは期間中に衛星放送事業を手がける持分適用関連会社であるBS松竹東急で株主評価損を計上したためである。同社の業績が当初経営計画に達しない見通しとなり、経営計画を見直した結果、評価損を計上した。連結決算で35億円の損失となる。
BS松竹東急は松竹や東急の共同出資として2020年に設立、2022年3月より無料の衛星放送チャンネルを運営している。映画やスポーツ、ドラマ、伝統芸能などを得意とする。
これを踏まえて松竹は通期業駅予想も修正した。まず連結売上高を917億円から867億円に、営業利益を13億円から10億円に引き下げた。映画興行が当初見通しを下回っているためだ。
さらに経常利益13億円を経常損失28億5000万円に、当期純利益35億円を当期純損失5億8000万円に変更する。
松竹の業績は歌舞伎などの演劇事業も大きいことから新型コロナ禍の影響も大きく受け、2020年以降、冴えない。2021年、22年に2期連続で最終赤字となり、23年からようやっと勢いを取り戻したばかりだった。
25年2月期には保有する永谷園ホールディングスの株式を公開買付にて売却して約19億円の特別利益を、さらに政策保有株の売却で30億円の特別利益を計上している。しかし、今回の特損計上でその効果は相殺されるかたちになった。