松竹第1Q決算、売上高回復も演劇事業など厳しく赤字続く

ファイナンス決算

 映画会社の松竹は2021年7月13日に、22年2月期第1四半期(21年3月~5月)の決算発表をした。
 連結売上高は143億2900万円と前年同期比で66.5%増と回復基調となったが、利益面では引き続きマイナスから抜け出せなかった。営業損失11億1200万円(前期損失14億6900万円)、経常損失12億2100万円(同18億1000万円)、当期純損失20億4600万円(同43億7800万円)である。依然、新型コロナ感染症の影響が残ることが大きく、なかでも演劇事業への打撃が大きい。

 演劇事業の売上高は33億1200万円(281.4%増)となったが、営業損失は12億6500万円と前期の6億4200万円から拡大している。直営劇場で収容率を抑えて公演を実施したが、4月、5月は緊急事態宣言により、「四月大歌舞伎」や「滝沢歌舞伎 ZERO 2021」などで一部または全日程で公演中止となったためだ。

 主力の映像関連事業は、売上高73億9500万円(59.9%増)、営業損失は4億1600万円と前年の11億9600万円の損失から大幅に赤字幅を縮めた。
映画配給では3月公開の『「騙し絵の牙』、そしてアニメ映画でも『ARIA The CREPUSCOLO』が堅調だった。映画興行は緊急事態宣言などにより映画館の一部を休止したことから厳しい結果だったとしている。
 不動産事業は堅調で、売上高は30億6400万円(4.6%増)、営業利益が14億7100万円(0.9%増)。利益を確保している。

 新型コロナ感染症の厳しい状況が継続していることもあり、松竹は通期予想も厳しく見ている。通期連結業績予想の売上高は824億円(57.1%増)、営業損失54億円、経常損失と当期純損失は各51億円と見通している。

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