アニメーション、CGなどの映像制作で急成長を続けるグラフィニカは、2019年4月1日付で、新たな役員体制を発表した。新任取締役としてメモリーテック・ホールディングス株式会社の中嶋剛氏、またコンテンツプロデュース会社であるアーチ株式会社代表取締役の平澤直氏が就任した。
代表取締役社長の伊藤暢啓氏と、藤黒素子氏、中嶋剛氏、平澤直氏の3人取締役と、非常勤の取締役、監査役の6人で取締役会を構成する。
中嶋剛氏の所属するメモリーテック・ホールディングスは、光ディスク製造販売の大手、さらにコンテンツの制作・流通を幅広く手がける。グラフィニカはグループのアニメ事業会社だが、これからも連携を強めることになる。
一方平澤直氏は、バンダイビジュアル(現バンダイナムコアーツ)、プロダクション・アイジー、ウルトラスーパーピクチャーズを経て、2017年10月にコンテンツの企画・開発・戦略づくりのアーチを設立した。業界の幅広い知見を持つ。こうした経験をグラフィニカに提供すると見られる。
グラフィニカはゴンゾのデジタル部門を前身に、2009年に設立された。CGアニメ部門の高い技術で定評がある。2014年にセルルックCGの劇場アニメ『楽園追放-Expelled from Paradise-』を制作して注目を浴びた。
近年は事業の積極的な多角化展開で注目を浴びる。2017年は2DアニメのTYOアニメーションズ(現ゆめ太カンパニー)を子会社化して作画アニメに本格進出、さらにエイベックス・ピクチャーズと共同出資のCGスタジオFLAGSHIP LINEも設立した。京都や札幌にスタジオを設けるなど、制作陣用の拡充も図っている。
2019年4月1日には、同じメモリーテックグループのキュー・テックからLive2D 制作事業の移管も受けた。作画からCGまで幅広くこなせる総合アニメ会社を目指す。
2019年9月20日には、期待の監督伊藤智彦の劇場アニメ『HELLO WORLD』のアニメーション制作もてがける。今後は元請制作会社、さらに企画製作も含めたビジネス面での総合ビジネス展開が期待される。
グラフィニカ 役員構成 (2019年4月1日)
代表取締役社長 伊藤暢啓
取締役 藤黒素子
中嶋剛(メモリーテック・ホールディングス株式会社 管理総括)
平澤直(アーチ株式会社 代表取締役)
取締役(非常勤) 上田豊
監査役(非常勤) 原岳史