国内大手CGアニメスタジオのグラフィニカの代表取締役が交代する。2020年3月19日にグラフィニカは、4月1日付で新たな代表取締役社長にとして、現在、制作部総括を担当する取締役・平澤直氏の昇任を発表した。現代表取締役社長の伊藤暢啓氏は、取締役副会長となる。
グラフィニカは今回の異動について、元請制作事業の強化をし、さらなる成長を実現するためとする。アニメ制作会社や映像ソフトメーカーなどの経験が豊富な平澤氏を代表取締役社長とすることで経営体制の充実させる。アニメーション制作受注にとどまらない多角的なビジネスを目指すことになる。
グラフィニカは2009年にアニメ製作ゴンゾのデジタル部門が独立するかたちで設立した。光ディスクのメモリーテック、アニメ撮影のキュー・テックのグループ会社になっている。
ゴンゾ時代から続くCGに定評があり、とりわけアニメとCGのハイブリットを得意とする。従業員数は300名近く、CGアニメでは業界大手のひとつ。2014年の『楽園追放-Expelled from Paradise-』をきっけけに、アニメ全編の制作をする元請に進出した。2019年の劇場映画『HELLO WORLD』などの代表作がある。現在は、手描きアニメーション制作のゆめ太カンパニーを子会社にし、エイベックス・ピクチャーズとは共同出資のFLAGSHIP LINEを設立した。総合アニメ会社としての陣容を築いている。
平澤氏は大学卒業後に、映像ソフトメーカーの大手バンダイビジュアル(現バンダイナムコアーツ)にて、海外業務、法務、プロデューサー業務を経験した。その後はアニメ企画・制作会社であるプロダクションI.G、ウルトラスーパーピクチャーズでキャリアを重ねた。
2017年に独立した後は自身が代表取締役を務めるアーチにて、新時代のアニメビジネスモデルの構築に尽力する。2019年4月にグラフィニカの取締役に就任したほか、同年12月にはCGアニメスタジオYAMATOWORKSの取締役も務めている。
平澤氏は複数の取締役を兼任するかたちなるが、グラフィニカの代表取締役社長就任に伴いアーチの役員人事も動く。代表取締役社長に新たに鈴木哲史氏が就任する。平澤氏は代表取締役を務める。
鈴木氏はブロッコリー、プロダクション・アイジーを経てアーチに入社、プロデューサーそして商品企画を担当する。ライセンスビジネスを得意とする。引き続きアーチの事業拡大に尽力することになる。