2019年6月3日から8日まで6日間、クロアチアのザグレブでANIMAFEST ZAGREBが開催される。日本ではザグレブ国際アニメーション映画祭の名称で知られており、フランス・アヌシー、カナダ・オタワ、広島と並ぶ世界4大映画祭のひとつだ。
映画祭の長編コンペティション部門には、日本から『アラーニェの虫籠』もコンペティションにあがっており注目されている。長編部門では日本のスタジオジブリも製作に参加した『レッドタートル ある島の物語』(マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督)のグランプリに続く、アワードも期待したいところだ。
また日本からは短編部門に林俊作監督『Down Escalation』、学生部門に岡田詩歌監督『ワンダフル千鳥足inワンダーランド』、全振圭監督『The Death Vendor』、そして子供作品部門に阿部靖子監督 『Claypet』が選出されている。日本の作品の映画祭を賑やかしそうだ。
ザグレブ国際アニメーション映画祭は、旧ユーゴスラビア時代の1972年にスタート。当初は2年に一度の開催だったが現在は毎年開催になっている。
長い歴史と作家性の重視に特徴がある。映画祭終了後にフランスで始まるアヌシー映画祭が、アニメーションの総合イベントとして商業分野、テクノロジー分野も含めているのとは対照的だ。個性豊かな映画祭として差別化しているかたちだ。
『アラーニェの虫籠』は、アニメーション作家・坂本サクが74分もの長編をひとりで制作した。しかもイマジネーション豊かなホラーストーリーで、アニメーション作家の長編作品としては異色なテーマを選んでいる。日本では2018年に劇場公開されて密かな話題を呼んでいた。
現在は世界各地の映画祭で次々に上映されている。2018年にアヌシー国際アニメーション映画祭の企画マーケットMIFAでTOKYO FOUCUSに参加。さらにカナダファンタジア国際映画祭にてワールドプレミアされ、長編コンペにノミネートされ、ザグレブに至る。作家性重視のザグレブらしいチョイスだとも言える。それだけにさらなる展開にも期待がかかる。
ザグレブ国際アニメーション映画祭
http://www.animafest.hr/en/
『アラーニェの虫籠』
https://www.ara-mushi.com/