キノシネマ 横浜みなとみらいと立川に各3スクリーンの映画館

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 生活産業に力をいれる木下グループが映画興行に乗り出す。傘下のグループ企業kino cinémaを通じて、この4月に横浜・みなとみらい、そして東京・立川に相次いで映画館を開業する。
 2019年4月12日(金)にオープンするのが、「kino cinema 横浜みなとみらい」、そして同6月に「kino cinéma立川髙島屋S.C.館」がスタートする。横浜は109席が2スクリーンと、53席が1スクリーンの合計271席。立川は現在は3スクリーンを備えるとだけ明らかにされている。上映作品は、ミニシアター系を中心に、世界各国の作品やファミリー向け作品などを幅広く取り揃える。インディペンデントの配給チェーンとして異色の存在になりそうだ。

 木下グループは住宅関連の木下工務店がよく知られているが、住まいを切り口に文化・スポーツ・健康・教育と幅広い生活産業に事業展開している。なかでも映画は力が入っており、映画企画製作・出資・配給のキノフィルムズ、映画・番組制作のプロダクション・キノ、著作権管理のkino internationalなどがある。
 2018年にはアニメーション制作の福島ガイナックス(現ガイナ、福島ガイナ)を買収し、アニメ業界からも注目を浴びた。映画・アニメ・テレビ番組と幅広い事業を目指す。

 kino cinémaは、2018年10月に設立されたばかりだ。当初より映画館の開発・運営・興行を手掛けるとしていた。木下グループの興行進出として話題を呼んだ。設立から半年で早くも2サイト6スクリーンにこぎつけた。
 これで木下グループは、小さいながらも企画・製作・出資・制作・配給・興行・ライセンス管理まで全ての映画事業を抱えることになる。現在行っている配給では大規模公開されない海外の良作をラインナツプしている。興行でも大手シネコンチェーンと棲み分け一線を画する。
 映画館の出店地域も独特だ。両施設とも東京都心からは離れているが、文化の色合いが濃く、人口の集積地である。横浜は再開発地区みなとみらいのど真ん中、横浜美術館からほど近い。立川は駅北口より3分の立川髙島屋S.C.内に位置する。

 アニメ会社のガイナをグループに持つだけに、アニメ映画の興行も期待される。しかし、現在発表されている2020年までのキノフィルムズの配給には日本アニメは含まれない。今後ガイナのアニメ製作が軌道に乗った後に、期待をつなぎたい。

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