マンガ好きが「人に薦めたい」を基準に選ぶユニークなアワード「マンガ大賞」が、2019年の大賞作品を発表した。受賞作に輝いたのは篠原健太氏の『彼方のアストラ』だった。
『彼方のアストラ』は集英社が運営するデジタルマンガのプラットフォーム「少年ジャンプ+」で2016年5月に連載を開始した。宇宙を舞台にした少年たちのスペースアドベンチャーとして人気を博した。最初のリリースがデジタルメディアの作品は今回が史上初めて、デジタルマンガの広がりを感じさせる結果となった。
作品は宇宙旅行が当たり前になった時代が舞台。惑星キャンプへと旅立った9名の少年少女が事故に巻き込まれ、サバイバルを繰り広げる。作者の篠原健太氏は、学園コメディ『SKET DANCE』のヒット作を持つが、本作では新たに壮大なストーリーに挑戦した。
17年12月に連載は終了したが、2019年のテレビアニメ化が発表されたばかり。それに続く大きなアワード獲得に、今後も話題は続きそうだ。
マンガ大賞は2008年に、マンガ好きの有志が始まりスタートした。マンガ作家でも、評論家でもない読み手の立場から、いま薦めたい作品を選び出す。新しい作品を取り上げたいとの立場から単行本刊行が8巻以内との基準を設けている。
これまでも『岳 みんなの山』(石塚真一)、『ちはやふる』(末次由紀)、『ゴールデンカムイ』(野田サトル)といったメディア展開もされた話題作をいち早く大賞に選んでいる。次にくる作品を知るよい機会ともまっている。
今回は94名の一次選考参加者が挙げた244作品から、まずノミネート13作品を選出。さらにポイント制で二次選考を実施した。
投票結果が開示されるのもアワードの特長で、94ポイントを集めた『彼方のアストラ』が大賞となった。2位は78ポイントで田村由美氏の『ミステリと言う勿れ』、3位は山口つばさ氏の『ブルーピリオド』が78ポイントだった。上位3作品がポイントで4位以下を大きく引き離した。
マンガ大賞2019
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