愛知県「ジブリパーク」2022年秋に3エリアで開業発表、23年に全体完成

ジブリパーク

 愛知県はアニメ製作会社スタジオジブリの協力を得て開発を進める大型エンタテイメント施設「ジブリパーク」の事業スケジュールを発表した。2018年12月21日に大村秀章知事が自らがジブリパーク整備構想の記者会見に出席し、明らかにした。
 発表によれば、2019年度には設計に着手し、2020年度より工事に入る。およそ2年~3年をかけて建設、2022年秋に構想されている5つのエリアのうち「青春の丘」「ジブリ大倉庫」「どんどこ森」の3つを先行開業する。さらに一年後に「もののけの里」と「魔女の谷」のふたつを開業し、全体構想が完成する。

 「ジブリパーク」は愛知県長久手市にある愛・地球博記念公園の敷地・施設にスタジオジブリの作品の世界観・モチーフを活用することで実現する。公園は2005年に開催された愛知万博の会場跡地を利用した200ha近くもの広大な面積を誇る。
 愛知県では「ジブリパーク」が、愛知万博の理念をよりよいかたちで未来に継承するものになり、愛・地球博記念公園の魅力を高めるとしている。国民的アニメを輩出してきた数々の作品がテーマパークのかたちで体感できるのも、大きな価値となる。

 「ジブリパーク」は2017年5月に愛知県とスタジオジブリが合意を結び、その構想が発表された。今年3月にスタジオジブリと確認書を締結、さらに4月には基本デザインも発表されている。これらに続くスケジュール発表と、プロジェクトがかなりのスピード感で進んでいることが窺わせる。
 パークはスタジオジブリ作品をコンセプトとするテーマパークを喚起させるが、愛知県、スタジオジブリともテーマパークとの表現はしていない。ディズニーランドやUSJのようなライドやアトラクション型の施設とは一線を画すと見ていいだろう。
 例えば「青春の丘」では『耳をすませば』の地球屋を再現、「どんどこ森」では体験学習施設タタラ場、「魔女の谷」にはオキノ邸や庭園など空間自体が目玉となる。「ジブリ大倉庫」では映像展示、常設・企画展示とミュージアム機能が備わる。これまでにない施設が期待できそうだ。

 一方でパーク実現のための資金プランや建設などにおけるビジネスパートナーなど、事業推進面ではいまだ明らかになっていないことも多い。プロジェクトの推進と共に、こちらの構想も気になるところだ。

「ジブリパーク整備構想の概要について」
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/koen/seibikousougaiyou.html

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