エイベックス、米国拠点をNYからLAに 「エンタメ×テック」へ戦略転換

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 音楽・映像コンテンツの大手エイベックスが、米国事業の再編に動く。これまでニューヨークを中心に活動してきた米国法人Avex International Inc.を、2018年12月下旬を目途に解散する。
 また同じ12月に新たに100%出資の現地法人Avex USA Inc.(エイベックスUSA)をカリフォルニア州ロサンゼルスに設立する。新会社の取締役会長には柴田肇氏、取締役社長には長田直己氏が就任する。Avex Internationalに替わり、グループの北米事業を統括することになる。

 エイベックスによればAvex Internationalは、ニューヨークを拠点に、日本、アメリカ、アジアの異なる地域のニーズに合ったコンテンツを発掘・育成することを目指してきた。
 しかし日本やアジアと異なることの多い北米でのアーティストビジネスでの早期の収益化は困難と判断した。Avex Internationalの直近2018年3月期の売上高は6億2200万円にとどまり、売上げを大きく上回る11億6000万円の営業損失を計上している。

 引き続きエイベックスは米国市場にとどまるが、ビジネスの方向性は大きく転換する。これまでのアーティストビジネスでなく、エンタテイメントの新規事業創出を目指す。あらたにロサンゼルスを拠点にするのも、エンタテインメントビジネスやスタートアップが盛んなことから選ばれた。
 エイベックは国内でも、従来のアーティストやアニメ製作出資に加えて、VRやIP創出の技術革新を売り出している。「Entertainment × Tech」をキーワードとした取り組みをグローバル規模で目指す。エイベックスUSAにはそんな戦略が見て取れる。

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