映像番組の企画・制作や海外メディア向けのコーディネーション事業を手がける日本ケーブルテレビジョン(JCTV)が、米国で現地向けの映画事業に乗り出す。2021年11月30日、JCTVは米国ロサンゼルスに拠点のある映画制作・配給会社Eleven Arts Studios(イレブンアーツ)とハリウッド映画の企画開発で合意したことを明らかにした。
協力を通じてJCTVはハリウッド映画の開発・制作事業に参画し、オリジナル作品の海外展開をする。世界市場をターゲットとした作品獲得とコンテンツ開発のノウハウの蓄積を目指す。またJCTVはこれまで手がけてきた海外向け番組制作の経験などを活かし、海外クルーが日本国内で撮影する国内ロケのコーディネーションも行う。
最初のプロジェクは海外原作で2022年度中の制作開始を予定している。日本国内でのロケも実施する作品だ。タイトルは未定として、現在は発表されていない。
JCTVは1971年に創業、テレビ朝日のグループで訪日外国人向けのサービスである英語番組の配信・制作をしてきた。また米国CNNの放送や各局向けテレビ番組の制作などを軸に事業を展開する。日本と海外をつなげる映像事業を得意としている。今回はそうした事業を拡大するかたちでの海外進出になる。
イレブンアーツは映画プロデューサーの森コウ氏が2003年に米国に設立した。米国内外で映画製作や配給事業を手がける。特に日本映画を中心にアジア関連の作品やビジネスを得意とする。劇場配給は日本の人気アニメの取り扱いがよく知られている。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズや『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』、『リズと青い鳥』など人気作品も数多い。
直近では日本でも劇場公開された『映画 太陽の子』をNHKとの国際共同製作し、米国での公開も始まった。劇場アニメでは『銀魂 THE FINAL』、『えんとつ町のプぺル』の北米公開も予定している。こうした米国における映画ビジネスのノウハウが共同事業で活用されることになりそうだ。
日本ケーブルテレビジョン(JCTV)
http://www.jctv.co.jp