「サマーゴースト」のFLAT STUDIOが独立、THINKR再編で

ファイナンス決算

 クリエイティブ制作会社THINKRのアニメーション制作スタジオとして活動してきたFLAT STUDIOが、THINKRから離れて独立することになった。2024年8月1日にTHINKRが新たな資金調達と新しい経営体制を発表したのに合わせて、明らかにされた。
 発表によれば、FLAT STUDIOは長編アニメーション映画制作を目指しているが、THINKRとFLAT STUDIOで方向性を話し合った結果、独立することになった。作品単位での協業を引き続き行なっていくとしている。

 FLAT STUDIOは、2017年に誕生した。イラストレーターのloundrawが自身が監督・脚本・構成・キャラクターデザイン・原画・動画・背景・撮影などを手がけた架空の劇場映画の予告編『夢が覚めるまで』において、架空のスタジオの名称として用いられた。
 その後、FLAT STUDIOのブランドで実際に制作活動を開始し、コンセプトムービー、MVなどを手がけるようになった。2022年にはloundraw監督の中編映画『サマーゴースト』を制作、劇場公開している。
 現在はloundrawや佐野徹夜といった人気クリエイターが複数所属する。直近ではTOHO10周年企画オリジナルショートアニメーション「天体観測」やZ会×loundraw 受験生応援ムービー「ふたり分の証明」などが話題になった。今後の活躍が期待される。

 一方のTHINKRは2007年にANSWRとして創立し、複数の企業統合やスタジオ設立で現在のかたちになった。アートワーク、広告、映像など、幅広いクリエイティブ、またクリエイター・アーティストマネジメントなどを手がけている。
 2018年にエイベックスグループに加わっているが、8月1日の発表では第三者割当を実施50億円資金調達した。阪急阪神ホールディングス、JAFCO、HIRAC FUND、Makers Fund、Cygames Capital、KDDI Open Innovation Fund、Yostar、千島土地、THIRDWAVEが新たな株主として出資した。
 調達資金でエイベックスグループが保有する株式を取得、借入金返済に充当、さらに成長事業への資金にする。今後はクリエイティブ開発制作、アーティストマネジメントのほか、バーチャルアーティストプロデュース、オリジナルIP開発、XR LIVE事業開発、さらにゲーム、アニメ、メタバース、AI、体験型エンターテインメントなどを積極的に手がける。
 合せてエイベックスグループとは海外進出などにおいて、阪急阪神ホールディングスとは体験型エンターテインメント領域での戦略的提携を結んだ。総合的なバーチャルエンターテインメント事業を目指して積極的に仕掛けていく。

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