「ルックバック」海外動員数国内超え、興収19億円超 エイベックス第2Q アニメ・映像が増収増益

ファイナンス決算

 2024年11月7日に発表されたエイベックスの2025年3月期第2四半期決算は、前年同期比で連結売上高が減少、利益面では赤字転落と厳しい結果になった。大型ライヴ公演や大型作品のリリースの減少で売上が落ちたほか、映像配信事業の受託終了と経費増加で利益では赤字となった。
 連結売上高は561億3100万円(12.8%減)、営業損失21億2200万円、経常損失23億8500万円。しかし6月21日に発表した子会社THINKRの事業譲渡や第三者割当増資もあり、純利益は16億3200万円を確保した。

 そうしたなかでアニメ・映像事業は、売上高が24.7%増の89億8500万円と大きく伸び好調だった。また営業利益も前年同期の1億8700万円のマイナスから4500万円に黒字転換した。
 アニメ・映像事業は、映像・音楽ソフトのパッケージ事業が8億7800万円と前年同期比で22.4%と大きく落ち込んだ一方で、ノンパッケージ事業は33.5%増の81億700万円だった。この結果、売上に占めるパッケージ比率は、初めて1割を割った。

 アニメ・映像事業を牽引したのが、劇場アニメの『ルックバック』だ。国内では58分の長さながらロングランヒットして、興行収入が20億を超えたことが話題になった。
 しかし好調は国内だけにとどまらない。8月、9月には韓国、香港、台湾などアジア地域で劇場公開されたほか、10月4日には米国・カナダ、10月26日には中国大陸で公開されて大きな人気を博した。公開地域はさらにヨーロッパ、ラテンアメリカ、インド、オセアニア地域まで広がる。
 10月末時点までに海外観客動員数は、日本の100万人を超える175万人に達した。海外興行収入も国内に匹敵する19億円超えとなった。なかでも中国大陸では公開6日間で86万人を動員した。第3四半期以降は、Amazon Prime Videoでの独占配信も開始してさらなる利益をもたらしそうだ。

 さらに第3四半期以降の主要な作品は、2025年1月に公開を予定する劇場アニメ『ベルサイユのばら』、DVDとブルーレイは『MFゴースト 2nd Season Blu-ray BOX』が控える。
 通期業績予想は売上の見通しはださず、営業利益20億円、当期純利益45億円としている。最終黒字を掲げる。

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