東映アニメ第2Q増収増益 北米・中国、アプリゲーム、ドラゴンボールが支える

ファイナンス決算

 2018年10月26日、国内大手アニメ会社の東映アニメーションは、2019年3月期第2四半期の決算を発表した。引き続き海外事業、アプリゲーム関連が好調で、業績の拡大を維持した。
 連結売上高が前年同期比9.1%増の255億7900万円と半期としては過去最高を更新した。さらに利益面は3割増と勢いがある。営業利益79億1800万円(32.8%増)、経常利益82億1500万円(30.8%増)、当期純利益58億900万円(35.4%増)となった。いずれも過去最高である。
 
 東映アニメーションは通期連結決算の売上高を480億円と見通している。第2四半期までで進捗率は53%を超えて堅調だ。売上高では500億円の大台越えも視野に入ってくる。
 営業利益の進捗率は65%超、経常利益は66%超、当期純利益は69%超だ。今回は業績見通しの修正はないが、第3四半期には大型劇場映画『ドラゴンボール超 ブロリー』が控えている。現在の連結業績予想を超えてくる可能性は高い。

 好調を支えるのは、依然、海外事業とゲームである。海外映像部門で中国向けの映像配信権の販売本数が増加、さらに北米向けの映像配信権販売も好調で、大幅な増収となった。
 海外版権部門では、アプリゲーム『ドラゴンボールレジェンズ』の世界配信が初夏にスタートした影響が大きかった。家庭用ゲームでも『ドラゴンボールファイターズ』などがあり、大幅な増収となった。
 アプリゲームは国内版権事業も牽引する。大型ヒットになっている『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』が前年を上回っただけでなく、『ドラゴンボールレジェンズ』の順調な出足も大幅な増収につながった。

 事業別では、その海外版権部門と国内版権部門を合わせた版権事業が売上高147億1900万円(13.1%増)、営業利益が69億700万円(13.3%増)と増収増益。
 一方、劇場アニメ部門、テレビアニメ部門、海外映像部門などから構成される映像製作・販売事業が売上高83億6500万円(9.1%増)、営業利益25億2800万円(150.3%増)となった。劇場アニメ部門、テレビアニメ部門とも大幅な減益であったが、海外映像部門がカバーした。
 商品販売事業は売上高21億4800万円(8.2%減)、営業利益1900万円(69.7%減)。催事などのその他事業は、売上高は4億1600万円(1.0%減)、営業損失4700万円。いずれも低調であった。

関連記事

アーカイブ

カテゴリー

ピックアップ記事

  1. 第2回新潟国際アニメーション映画祭
     今年3月に初開催されて話題を呼んだ新潟国際アニメーション映画祭が、2024年3月に第2回を迎える。…
  2. 『いきものさん』© 和田淳・ニューディアー/東映アニメーション
    『いきものさん』の製作で多くの人が驚いたのは、東映アニメーションがそれを担当することだろう。世界的な…
  3. MIFA東京都ブース2023
     東京都がこの10月、11月に、アニメーション分野で海外進出を目指す企業や個人事業主に向けた連続セミ…
ページ上部へ戻る