2020年4月30日に、2020年度補正予算案が国会で可決された。予算総額は25兆6914億円と空前の規模の補正予算案は、新型コロナウイルス感染拡大への緊急経済対策の側面が大きい。
補正予算のなかでは、エンタイメント・コンテンツ業界支援に向けた大型予算も組まれている。「コンテンツグローバル需要創出促進補助金」として計上されたもので、878億円を投入する。発表の場を失った公演などを動画にして海外配信する際に、費用の一部を負担する。
詳細は特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)が事務局となる公式サイトで告知する。2020年5月下旬に申請受付を開始する予定だ。
当該事業について国は、新型コロナウイルス感染症拡大で国際見本市やコンサートといったコンテンツの海外展開のためのプロモーションの機会が失われていることを理由に挙げている。もともとコンテンツ振興策を通じた訪日外国人増加と消費拡大となるインバウンドに積極的であったが、国と国の往来が大幅に制限されるなかで、デジタル配信を活用することでこれを代替したいとの狙いがあると見られる。
もうひとつの目的は、いわゆる「三密」をさけることを理由に中止・延期が相次ぐことでとりわけ経済的な打撃が大きな音楽や演劇、伝統芸能といった実演分野、フェスティバルやコンベンションの支援である。無観客公演の配信などでの補助を目指す。
事業のポイントは、配信プラットフォームで公演の映像の海外向け展開が必須となっている点である。生放送あるいはダイジェスト版動画が掲載される必要がある。
支援金額は対象経費の最大1/2、補助金額の上限は5000万円に定められている。対象経費には、出演料、制作費、会場費、運営費、権利使用料、感染予防対策費、動画制作費、海外配信費が含まれる。
国は今回の施策を通じて、海外市場展開と中小企業・フリーランスを含めた裾野の広い産業全般の流通を実現するとしている。
【J-LODlive補助金のお知らせ】
コンテンツグローバル需要創出促進事業費補助金
https://www.vipo.or.jp/news/23905/