映像関連技術の大手IMAGICAが、映像のパッケージソフト制作事業の強化に動いた。2018年6月22日、IMAGICAは東芝デジタルフロンティアよりパッケージソフト制作、オンエアプリント、さらにデータ変換の3つの事業を買収する。譲渡完了は9月 1日を予定。譲渡価格は明らかにしていない。
IMAGICAは映像技術サービス、ポストプロダクションの国内大手として知られてきた。2006年に映画・CM制作などロボットを、2016年にはアニメ製作のOLMをグループ会社化することで番組制作にも進出している。
またリンクス・デジワークスの事業統合によるCG・VFX分野、SDI Mediaグループの子会社化による海外向けローカライズ分野を加えるなど映像関連の総合企業となっている。今回の事業譲渡を受け、さらにパッケージ制作やデータ変換事業部門を強化する。
DVDやBlu‐rayといったパッケージソフトは、映像ソフトのデジタル流通の広がりによって市場が縮小傾向にある。一方でデジタル配信は急成長しており、IMAGICAの大きな狙いもこの部分にありそうだ。現在でも配信向けのコーディングや多言語対応は同社の得意とするところで、事業規模は拡大している。これらと連携することでシナジー効果も期待出来る。
一方、東芝デジタルフロンティアは、1998年に映像パッケージのエンコーディング・オーサリングスタジオとして設立。東芝グループの映像制作部門との位置づけであったが、現在は事業を映像関連マーケティングに広げている。成長の余地が小さなパッケージソフト制作などの部門を売却することで事業分野をフォーカスする狙いがありそうだ。
映像パッケージ制作・ポストプロダクションでは、今年3月にやはり映像技術関連の大手メモリーテック・ホールディングスがポニーキャニオンから子会社ポニーキャニオンエンタープライズの全株式を取得したばかりだ。
映像技術関連企業の総合化・巨大化、統合が続いている。映像技術の高度化が、こうした背景にありそうだ。