「ピングー」3DCGアニメでテレビシリーズ ポリゴン・ピクチュアズ制作、NHK Eテレで放送開始

『ピングー in ザ・シティ』

 CGアニメーションの制作で国内外の注目を浴びるポリゴン・ピクチュアズが、また新たな映像に挑戦する。今回、手がけるのはテレビアニメシリーズ『ピングー in ザ・シティ』である。ペンギンの姿をしたスイス生まれの人気キャラクターを3DCGで映像化する。
 2017年10月7日にNHK Eテレで放送開始。すでに26話のシリーズを2シーズン、全52話で放送することが決まっている。1話は7分となるが、息の長いアニメシリーズとして人気を集めそうだ。

 ポリゴン・ピクチュアズは1983年創立で、世界でも有数の歴史を持つデジタルアニメーションスタジオである。長い歴史だけでなく、クオリティーの高い映像づくりでも、国内だけでなく、海外に知られている。
 近年は、『亜人』や『BLAME!』、『シドアニの騎士』といったセルスタイルのCGで脚光を浴びるが、海外のカートゥーンネットワークやディズニーの依頼によるフル3DCGの作品は持ち味のひとつだ。『ピングー in ザ・シティ』は、そうした映像を日本でもテレビシリーズとして実現することになる。これまでのポリゴン・ピクチュアズとは異なった映像が観られる点でも、注目作品である。

 ピングーは、1986 年にスイスの映像作家オットマー・グットマンが、ストップモーション・アニメーションとして生みだした。クレイ(粘土)で表現されたキャラクターを一コマずつ動かし撮影する。テレビアニメシリーズも製作され、イギリスや日本など世界 155 以上の国と地域で放送、大きな人気を博している。
 今回はこれをCGアニメーションに置き換える。クレイの持つ立体感が、CGでどの様に表現されるか鍵になりそうだ。監督は『グレゴリーホラーショー』、『ペコラ』などで活躍するイワタナオミ、脚本は『クレヨンしんちゃん』や『スペース☆ダンディ』のうえのきみこ、『けものフランズ』や『デュエル・マスターズ ビクトリー』の田辺茂範を起用する。定評のある実力派が参加する。

 世界的に人気の高いキャラクターが主人公、さらに海外ではアニメーションの主流となっているCGでの映像化、そしてグローバルクオリティのポリゴン・ピクチャーズ制作と、日本だけでなく、海外でも活躍のできる作品となった。今後はさらに海外放送も期待したいところだ。

『ピングー in ザ・シティ』
NHK Eテレ 2017 年 10 月 7 日 放送開始予定
本放送:(土)午前 9:20~9:27、再放送:(土)17:25~17:32

原作: オットマー・グットマン
監督: イワタナオミ 
脚本: うえのきみこ、田辺茂範 
音楽: Ken Arai
アニメーション制作: ポリゴン・ピクチュアズ

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