文化庁「芸術選奨」の映画部門大臣賞 庵野秀明、片渕須直の両監督へ

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 2017年3月8日、文化庁は第67回芸術選奨の文部科学大臣賞と新人賞を発表した。芸術選奨は、毎年、各芸術分野で際立った業績を残した人物を顕彰している。2017年は演劇、映画、音楽、舞踊、文学、美術、放送、大衆芸能、芸術振興、評論、メディア芸術の11部門から大臣賞18名、新人賞11名が選ばれた。
 このうち映画部門の大臣賞は、『シン・ゴジラ』の庵野秀明監督、『この世界の片隅に』の片渕須直監督に贈られた。いずれも2016年に劇場公開され大ヒット、また批評においても高い評価を獲得している。新人賞は、実写映画の『淵に立つ』の深田晃司監督が選ばれた。

 片渕須直監督は、『この世界の片隅に』のほか『マイマイ新子と千年の魔法』、『BLACK LAGOON』などの代表作があり、長年アニメ制作に従事してきた。今回は緻密な映像と音響設計により映画ならではの深い感動を観客に与えたこと、戦争を知らない世代に戦争の恐怖と何気ない日常の大切さや希望を感じさせたことが評価された。
 庵野秀明監督は、『シン・ゴジラ』での卓越した技術力に加えて、造形、演出の独創的な才能が評価されている。さらに芸術性と技術力の融合が、新しい映像表現の可能性を体現しているとする。庵野監督は、「エヴァンゲリオン」シリーズなどアニメの活躍でも広く知られている。

 映画部門では、今回まず大臣賞候補に10名が挙がったという。第一次選考で6名に絞り込まれた後に、さらに議論を重ねて両名が選ばれた。結果として特撮映画とアニメ映画を評価した。庵野秀明監督はアニメ監督としても知られるだけに、ここでも映画分野における近年のアニメの存在の大きさを感じさせる結果になった。
 大臣賞のアニメ関係者の受賞は、第64回の鈴木敏夫プロデューサー(映画部門)以来、3年ぶりとなる。これまでには高畑勲監督『おもひでぽろぽろ』(映画部門)、宮崎駿監督『となりのトトロ』(映画部門)も受賞している。
 また細田守監督が『サマーウォーズ』(映画部門)、宮崎吾朗氏「三鷹の森ジブリ美術館」の活動(美術部門)、そして沖浦啓之監督『ももへの手紙』(メディア芸術部門)、長井龍雪監督『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(メディア芸術部門)、水樹奈々氏『NANA MIZUKI LIVE CIRCUS 2013』(大衆芸能部門)が新人賞に輝いている。
 アニメーションは、マンガ、ゲームと共にメディア芸術部門に分類されているが、今回のように他部門での受賞も少なくない。第67回のメディア芸術部門の大臣賞は、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』のマンガ家の秋本治氏が選ばれた。

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