2015年秋に、ニューヨークで発表された日本の人気アニメ『TIGER & BUNNY』のハリウッド実写映画化企画が新たな展開を迎えた。それからおよそ2年半、5月8日にプロジェクトに新たに参加するビジネスパートナーが発表された。
オリジナル作品を制作したバンダイナムコピクチャーズ、すでに参加しているロン・ハワードのImagine Entertainmentに加えて、Global Road Entertainment、Weed Road Picturesが加わる。
Global Road は、2017年にIM Global とOpen Roadの事業統合で誕生した会社だ。今回のプロジェクトに参加するリン・ハリス氏は『ゼロ・グラビティ』『マン・オブ・スティール』などで豊富な経験を持つ。
またWeed Road Picturesは、『ディープ・ブルー』や『コンスタンティン』『Mr. & Mrs. スミス』など大ヒット作を数多く手がけたプロデューサー・アキヴァ・ゴールズマン氏の会社。ハリウッドのトッププロデューサーが参加することで、実写映画化を推進する。企画の立上げに役割を果たしたAll Nippon Entertainment Worksは、プロジェクトから離れる。
『TIGER & BUNNY』は、2011年にテレビ放送をスタートしたSFヒーローアクションアニメ。アニメーション制作はバンダイナムコグループのサンライズ(後に分社化したバンダイナムコピクチャーズ)が担当する。落ち目のベテランヒーローと若くて有能なルーキーのコンビが未来都市シュテルンビルドを守るため活躍する。
男性から女性まで幅広い支持を受け大ヒットになった。アニメは劇場版も製作され、ハリウッド実写化もこれを受けて発表された。
シリーズは2014年初頭の劇場第2作で一旦修了していた。しかし、2018年にはバディもののコンセプトを受け継いだ『DOUBLE DECKER! ダグ&キリル』がスタートするなど新たな動きも出ている。ハリウッド実写企画の再浮上もシリーズの盛り上げに一役買いそうだ。
ただし企画はまだ初期段階と見られる。脚本はエレン・シャマンが執筆するとしているが、配給会社や監督、出演などは言及されていない。まずは脚本を仕上げて、資金調達や配給会社との交渉を目指すことになる。実際に映画実現までたどり着くかは未知数な部分が多い。
サンライズでは、この他にSFアニメ『カウボーイビバップ』の米国実写テレビ企画も2017年夏に発表している。自社作品の海外実写化を積極的に探っている。
ことし春には、スティーブン・スピルバーク監督の大ヒット映画『レディ・プレイヤー1』に思わぬかたちでガンダムが登場し話題を呼んだ。一足早くハリウッド映画デビューしたばかりだ。今後はサンライズ、バンダイナムコピクチャーズからの独立したかたちでの実写映画の実現も期待視したいところだ。『TIGER & BUNNY』のハリウッド実写化の今後が注視される。