東京国際映画祭、2018年は湯浅政明特集 世界を席巻するアニメーション監督にフォーカス

湯浅政明監督

 2018年10月25日から11月3日まで開催される第31回東京国際映画祭にて、アニメーション監督の湯浅政明の特集が組まれることになった。2014年より続くアニメーションにフォーカスした企画での今年の顔になる。また日本映画振り返るJapan Now部門では、俳優の役所広司さんの特集組まれる。
 上映作品や期間中のトーク企画などは今後の発表になるが、『夜明け告げる ルーのうた』『夜は短し歩けよ乙女』『マインドゲーム』といった代表作が期待されそうだ。近年、海外映画祭で大きなアワード受賞が続く湯浅監督だけに大きな話題となるのは間違いないだろう。

 東京国際映画祭は1985年にスタート、今年33年目を迎える。コンペティションや話題作の上映、特集企画のほか、コンテンツ見本市TIFFCOMを併催するなどアジアを代表する大型国際映画祭として知られている。
 近年はアニメーション映画を上映することも増えている。2014年はひとり作家や作品にスポットを当てた大型特集が人気だ。2014年は「庵野秀明の世界」、15年は「機動戦士ガンダム」(富野由悠季)、2016年は「映画監督 細田守の世界」、2017年は「原恵一の世界」と日本を代表するアニメーション監督が次々に登場してきた。
 特集は監督のこれまでの映画キャリアを一望し、初期から最新作までを上映することだ。数日間にわたる監督トークも人気だ。

 湯浅政明監督がこれらの監督と並ぶ才能であることは言うまでもないだろう。特に2017年は『夜明け告げる ルーのうた』がアヌシー国際アニメーション映画祭でグランプリ、『夜は短し歩けよ乙女』がオタワ国際アニメーション映画祭でグランプリと大きな受賞が相次ぎ一際脚光を浴びている。
 2018年には、『夜明け告げる ルーのうた』が文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞に。メディア芸術祭全部門を通じて、ひとりのアーティストによる初の3度目の受賞である。さらにNetflixが配信する『Devilman Crybaby』が世界的に話題を呼ぶなど波に乗っている。
 こうしたタイミングは、過去作を含めて湯浅監督を振りかえるのにぴったりだ。そして監督が自身の過去、現在、未来を語るのが期待される。

第 31回東京国際映画祭
2018 年 10 月 25 日(木)~11 月 3日(土・祝)
六本木ヒルズ、EXシアター六本木 他
http://www.tiff-jp.net

[東京国際映画祭 過去のアニメーション特集]
2014年 「庵野秀明の世界」
2015年 「機動戦士ガンダム」(富野由悠季)
2016年 「映画監督 細田守の世界」
2017年 「原恵一の世界」

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