サンライズが本社移転、荻窪にグループ4社を集結

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 アニメ製作大手サンライズが、グループ会社のバンダイナムコピクチャーズ、SUNRISE BEYOND、サンライズミュージックと共に2021年10 月25日以降、本社およびスタジオを東京都杉並区荻窪に順次移転すると発表した。移転先はJR荻窪駅から徒歩数分で、中央線沿線では数少ない大型フロアで高層の藤澤ビルとなる。
 新本社のオフィスとスタジオは、同社の代表作『機動戦士ガンダム』に登場する戦艦にちなんで「ホワイトベース」と命名される。「ゼロからイチを生み出す企業」、真っ白な状態からたくさんの色を生み出し続けたいとの気持ちも重ねた。

 まず10月25日にサンライズのIP事業本部と管理本部、業務監査室が移転する。さらに11月1日にIP制作本部制作部の第2スタジオ、第3スタジオ、第4スタジオ、作画塾、制作部が、翌22年2月7日に第5スタジオ、第7スタジオ、第 10 スタジオ、デジタルクリエイションスタジオ、3月28日に第1スタジオ、第6スタジオ、第9スタジオが移る。半年かけて大半のスタジオがひとつのビルに集まることになる。
 グループ会社でも音楽版権管理のサンライズミュージックが2021年10月25日に、バンダイナムコピクチャーズは22年1月17日と24日の2回に分けて事業部、企画部、管理部門、制作部(Aスタジオ、Bスタジオ、Eスタジオ、制作推進課、制作管理課、Cスタジオ、Fスタジオ、いわきスタジオ東京オフィス)の移転を予定する。現在は西東京市にあるSURISE BEYONDの2022年6月移転で、大掛かりなプロジェクトは完了する予定だ。

 サンライズはバンダイナムコグループのアニメ事業会社でアニメーション制作では日本有数の規模を誇る。1972年に虫プロから独立したメンバーが設立した創英社に源流があり、1976年に事業拡大に合わせて日本サンライズとなった。『無敵超人ザンボット3』、『機動戦士ガンダム』などのヒット作を次々に世に送り出した。
 1987年にサンライズに社名を変更、現在の上井草の本社には1996年に移転してきた。本社移転は25年ぶりになる。

 サンライズは本社機能に加えて、自社、そして子会社のバンダイナムコピクチャーズ、SUNRISE BEYONDを含めて20以上スタジオを保有する。しかし、長い年月をかけて企業が拡大したこともあり、本社各部署、スタジオは、西武新宿線上井草駅周辺を中心に20以上の拠点に分散していた。
 かねてより事業所の拠点集約は懸念事項だったと思われる。今回は、拠点集約における効率化だけでなく、新オフィス、スタジオということもあり、近年課題となっている制作スタッフの就業環境が大きく改善されることも期待される。

 荻窪は古くからアニメ制作会社の集積地として知られている。さらにここ10年でスタジオの集積が加速化している。ウトルトラスーパーピクチャーズとグループ会社のサンジゲン、ライデンフィルム、あるいはコミックスウェーブフィルム、WHITE FOX、ジェノスタジオなどアニメファンにお馴染みのスタジオも数が多い。国内有数のスタジオ移転で、アニメの産業集積はさらに高まりそうだ。
 一方で上井草地区では西武新宿線上井草駅の出発メロディに「翔べ! ガンダム」が採用され、駅前にはガンダム像があるなどサンライズは地域を象徴する存在であった。地元にはやや残念な発表かもしれない。

サンライズ https://www.sunrise-inc.co.jp/

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