イマジカ・ロボットグループが、ベンチャー企業への投資に乗り出す。グループ会社の株式会社オー・エル・エム・ベンチャーズが、メディアとコンテンツ分野のベンチャー企業に特化したファンド「OLM1号投資事業有限責任組合」を組成した。
スタートの段階で12億円の出資約束額を調達、運用を開始した。ファンドにはイマジカ・ロボット ホールディングス(イマジカ・ロボットHD)とグループのアニメ製作会社オー・エル・エム(OLM)、さらにアドウェイズ、小学館、タカラトミー、ミクシィといった幅広いエンタテインメント会社、さらにSMBCベンチャーキャピタルなど出資する。
ファンドを運用するオー・エル・エム・ベンチャーズは、2017年6月にイマジカ・ロボットHDのグループ会社として設立された。社名にOLMの名前を掲げることから、アニメ製作と関わりが深いファンドになりそうだ。
実際に投資対象の企業として、メディア・コンテンツ分野、なかでもVR、AR、MRといった新技術、さらに動画配信関連、スマートトイなどを挙げている。出資は短期的な投資というよりも、新興企業との連携、自社グループ以外での研究開発、ビジネス創出も狙っていそうだ。
近年、国内ではベンチャー企業への投資が活発化している。なかでも注目されているのは、金融機関や投資会社でなく、一般の事業会社が資金を出し運営するCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)と呼ばれるものである。
自身の会社に関連のある分野に特化して、投資する。他業界から見るよりも新しい会社、事業をいち早く発見し、育成しやすい。IPOや企業売却による成長利益よりも、本業とベンチャー企業のシナジー効果を重視するのも特長である。大企業では育ちにくい、ベンチャー企業や新技術を取りこむ狙いもある。
しかし、こうしたCVCはアニメをはじめとする映像業界では珍しい。そうした点では、ファンドとしての優位性は高そうだ。
一方で、これまでにあまり例がないだけに、どんな企業に投資するのか、その成果はどうなのか、今後も引き続き注目を集めそうだ。