メモリーテック・ホールディングスが、再び企業買収を通じてアニメ関連事業の強化に踏み切った。2018年3月20日付で、音楽・映像ソフトのポニーキャニオンから子会社ポニーキャニオンエンタープライズの全株式を取得した。譲渡金額は、非公表。
ポニーキャニオンエンタープライズは、編集やオーサリングといった映像パッケージのポストプロダクションサービスに定評がある。さらに字幕・吹替制作や、配信用動画のエンコード・オーサリング、アニメ音響制作も手掛ける。メモリーテックは買収を通じて、この分野を強化する。
メモリーテックは映像関連サービスの総合企業として近年存在感を増している。長年手がけてきた光ディスクの製造や販売、編集・ポストプロダクションなどで存在感が大きいが、CGやアニメーション制作にも積極的に進出する。
2009年に子会社キュー・テックを通じてゴンゾのデジタル映像部門を買収し、CGアニメスタジオのグラフィニカを設立した。同社が急成長を続け、CGスタジオ大手の一角に食い込んでいる。さらに2Dアニメ制作事業にも進出し、2017年11月にはティー・ワイ・オーよりTYOアニメーションズの株式を取得し、子会社ゆめ太カンパニーとした。
今回の事業取得にあたっても、メモリーテックグループのアニメ事業、映像事業との技術・サービスの融合を大きな理由に掲げる。ポニーキャニオンエンタープライズの事業を加えることで、アニメーション映像事業のNo1企業グループとして発展するとしている。
ポニーキャニオンは国内音楽・映像ソフトの大手で、映画やドラマ、アニメといったエンタテイメントのソフトを作ってきた。ポニーキャニオンエンタープライズは、そのポストプロ部門として事業を支えてきた。今回はこの部分を同業大手のメモリーテックに売却する。
売却後もパートナーシップにより、両社の事業は継続される。ポニーキャニオンは事業売却でポストプロダクションを外部化し、組織と事業の効率化を図ることになる。