イマジカグループ映像コンテンツ部門売上げ利益減少、公開延期響く

ファイナンス決算

 映像関連事業のイマジカグループは、2020年8月4日に2021年3月期第1四半期の決算発表を行ったが、厳しい業績となった。新型コロナ感染症拡大の影響を受けたことから大幅な減収減益となった。
 連結売上高が168億5500万円と前年比で22.5%減少したほか、営業損失が18億6800万円、経常損失は19億4200万円、当期純損失は12億1300万円であった。映像コンテンツ事業、映像制作サービス事業が減収赤字、映像システム事業は増収になったものの大幅減益となった。

 打撃が大きかったのが、実写映画やアニメ、CMの制作、音楽ライブ収録をする映像コンテンツ事業である。同部門にはアニメーション制作・CG制作のオー・エル・エム、オー・エル・エム・デジタル、オー・エル・エム ベンチャーズ、米国法人のSprite Animation Studios、またピクスが含まれる。さらに実写制作のロボットで事業部門を構成する。
 事業部門の売上高は29億3200万円と前年比で62.6%の減少。営業損失は3100万円から4億6900万円に拡大した。

 主力作品は『劇場版ポケットモンスター』、映画『STAND BY ME ドラえもん2』、『メジャーセカンド』 、『トミカ絆合体 アースグランナー』、などだ。これらが新型コロナ感染症拡大の影響を受けて、大幅に当初計画からずれることになった。
 劇場映画では作品上映の延期があり、売上げ計上が後ろずれる。またテレビアニメは放送スケジュールの変更が発生し、制作本数も減少した。さらにテレビCM撮影や音楽ライブ収録の中止、延期が影響した。
 第2四半期以降は延期劇場作品の公開も決定し、CM撮影も復帰しつつある。しかし音楽ライブ収録などイベント興行関連が引き続き不透明としている。しばらくは不安定な状態が続きそうだ。

 ポストプロダクションが中心の映像サービス事業は、売上高105億7800万円(4.3%減)、営業損失が13億6900万円だ。引き続き海外のローカライズ部門が苦戦している。
 映像システム事業の売上高は35億2200万円と11.7%増えた。しかし収益率の高い放送局向け案件やハイスピードカメラの販売不調のため営業利益は65.5%減の5500万円であった。

 イマジカグループは今後の見通しについて、上半期は厳しい状況が続くが第2四半期は第1四半期より改善傾向にあるとする。最悪期は脱したとの判断のようだ。
 そのうえでグループ全体の販管費を削減し、不要不急の設備投資の見直しや延期を図る。着実な業績の積み上げを目指す。

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