アニプレックス、Live2Dの株式過半数を取得 最新技術で長編アニメ映画制作を目指す

アニプレックス、Live2D

 アニメ製作大手のアニプレックスが、企業M&Aによる事業拡張を進めている。2018年3月28日、アニプレックスは画像処理ソフト開発の株式会社Live2Dと業務資本提携をしたと発表した。同社はLive2Dの株式の過半数を取得した。譲渡価格は非公開。
 アニプレックスはLive2Dのビジネスと映像技術開発を支援し、また協力してLive2Dの技術を利用した長編アニメ映画の制作を目指す。

 Live2Dは2006年に設立、2Dで描かれた絵をダイナミックに動かす技術を開発してきた。クリエイターが描いた作品を思った通りに動かしたいというニーズに応えることで注目されている。その技術は、映像、ゲーム、アプリといったコンテンツで活用されている。とりわけ国内外のアプリゲームで利用が多い。
 Live2Dは今回の提携を機にソフトウェア開発を進める。また国内外に向け、さらに多くの会社による技術採用を目指す。今後はアニメをはじめとする映像分野への積極的な進出も期待される。
 また事業の拡張に合わせて、開発エンジニアやアニメーション制作のデザイナーなどの採用を積極的に進める。コンテンツ業界で存在感の大きなアニプレックスとの提携は、事業拡大のエンジンとなるだろう。

 アニメ業界では現在、3DCG技術を取り入れた映像制作が活発化している。しかし、アニプレックスは2Dアニメの大手スタジオであるA-1 Picturesを子会社にするものの、CGやデジタル分野への進出は十分でなかった。
 今回のLive2Dとの提携は、これまでのCGアニメとは異なったアプローチで新しい映像技術を目指すことになる。ライバル企業との差別化を狙う。これまでと違った技術がどの様なものになるのか、それが新しい映像表現やビジネスモデルの革新になるのかが注目される。

 アニプレックスは、近年、アニメ関連事業の多角化を積極的に進めている。映画配給やスマホアプリゲームの開発・運用まで幅広い。
 そうしたなかでM&Aも活用している。2017年9月にはフィギュア制作・販売のリボルブをグループ会社化、2018年にはオーストラリア最大の日本アニメ企業MADMANにも資本参加している。好調な業績を背景に、こうした積極的な展開は今後続く可能性が高そうだ。

アニプレックス
http://www.aniplex.co.jp/
Live2D
http://www.live2d.com/

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