2017年12月1日から3日までの週末3日間、千葉・幕張メッセで開催された東京コミコン2017が、前年を上回る動員で大きな賑わいを見せた。主催者の発表によれば、3日間の総来場者数は4万2793人。3万人超とされた昨年第1回のイベントを上回った。
また来年2018年の3回目のイベントのスケジュールも新たに発表された。2018年11月30日(金)、12月1日(土)、2日(日)を予定する。今年と同じ12月頭を中心とした週末3日間と、会場も幕張メッセと、2017年のスタイルを踏襲する。
イベントの拡大は企業出展の状況にも表れている。150社を超える出展企業数は昨年の111社を大きく上回る。また、今回はステージイベントでも、『ニンジャバットマン』、樋口真嗣総監督の新作テレビアニメ『ひそねとまそたん』、3DCGアニメ『ULTRAMAN』、アニメ『SSSS.GRIDMAN』といった新作の発表が相次ぎ、会場にはアニメや映画のスタッフ、マンガ家・コミックアーティスト、俳優などのゲストが多数訪れた。
開催2回目の東京コミコンの成功と拡大は、第1回2016年の来場者数が一般の予想を大きく上回ったことが理由だ。昨年は開催第1回による知名度の不足、会場のマネジメントなど経験不足から、当初結果が危ぶまれていた。しかし、ふたを空ければ3万人超の多くのファンが会場に足を運んだ。
これを受けて、第2回は企業出展が増加、ゲストやステージイベントの拡大となった。会場の入場料も大幅に値上げされている。
予想を上回る来場者数は、イベントが映画などの映像作品を重視したことが大きいかもしれない。日本にはコミケやAnimeJapan、東京ゲームショウなど、アニメやマンガ、ゲームを取り扱った大規模イベントは数が多い。しかし、映画にフォーカスしたものは、東京国際映画祭のように作品の芸術性に目を向けたものばかりだ。しかし、東京コミコンは、洋画、アメコミ原作、VFXを使ったSF、ファンタジーなどが中心だ。
コミックコンベンションに由来するコミコンの名称を用いるが、マンガ・コミックだけでなく映像作品を中心にすることで多くの人に馴染みやすい。名誉親善大使の竹内涼真、オープニングステージにLittle Glee Monsterといった起用にも、大衆志向が見受けられる。オタクなファンに向けたイベントと思われがちなコミコンイベントに、一般の映画ファンを巻き込むことでイベントの集客につなげている。