2017年10月14日に、アニプレックス配給で全国公開した劇場版『Fate/stay night[Heaven’s Feel]]Ⅰ.presage flowerが、猛烈なスタートダッシを切った。週末2日間(10月14日(土)、15日(日))の動員数は24万7509人と早くも25万人に迫る勢いで、興行収入は4億1303万840円に達した。これはいずれも、週末興行ランキングの1位となる。
2位には同日公開されたハリウッド製作のSF大作『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』がつけた。しかしスクリーン数で圧倒的な同作を、『Fate/stay night[Heaven’s Feel]』はほぼダブルスコアで大きく引き離した。
『Fate/stay night[Heaven’s Feel]』は、TYPE-MOONが生み出したビジュアルノベルゲーム『Fate/stay night』を原作にしている。テレビアニメ、マンガ、ゲームなど多様なメディアミックスを続ける作品を劇場映画とした。
「Fate」シリーズは、国内外のファンから熱狂的な支持を受け、一大フランチャイズを築いている。数多くのテレビシリーズに加え、現在は、スマホアプリゲームの「Fate/Grand Order」の大ヒットが話題を読んでいる。
今回の映画化にあたっては、ゲーム上複数あるシナリオでアニ化されていない第三のルートを採用した。またアニメーション制作は『Fate/Zero』、『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』にて、ハイクオリティの映像、演出でファンを圧倒したufotableが担当している。ファンのニーズに応えることが大きなヒットにつながった。
公開に合わせた数々のイベント・企画も、ファンの期待感を煽るのに成功した。公開初日の午前0時からは、43劇場で最速上映を実施。14日には、新宿バルト9、ユナイテッド・シネマ豊洲、TOHOシネマズららぽーと船橋でスタッフ、声優キャストが登壇する舞台挨拶が行われた。このうち新宿バルト9の初日舞台挨拶は全国125スクリーンへ向けてライブビューイングを実施している。
さらに驚かされるのは、各劇場の高稼働である。本作のスクリーン数は全国で120あまりと中規模に過ぎない。週末興行1位になる大作映画は通常300スクリーン、400スクリーン以上であることが多い。
劇場版『Fate/stay night[Heaven’s Feel]』は、その半分にも満たないスクリーン数でこれを実現した。シネ・リーブル池袋やシネ・リーブル神戸では、全回満席となった。劇場1スクリーン数あたりの興行収入が322万6802円と驚異的な数字になっている理由でもある。
これは配給を担当するアニプレックスにも大きな売上げをもたらす。もともとアニメの映像・ソフトの発売事業が中心であったアニプレックスは、近年、ビジネスの領域を急速に広げている。その一つが映画配給である。
映像ソフトメーカーが映画配給をするケースはこれまでもある。しかしアニプレックスは、今年2月公開の『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』で新興のメーカー系配給としては記録的な25億円の興行収入を実現するなど新たなビジネスを築きつつある。
『Fate/stay night[Heaven’s Feel]』も興行収入20億円超を狙えるスタートで、再び大きな記録を残しそうだ。年間興行収入でも、アニプレックスはこれまでにない業界シェアを取りそうだ。
劇場版『Fate/stay night[Heaven’s Feel]』は、三部作を予定している。2018年には第2章にあたる劇場版「Fate/stay night [Heaven’s Feel]」Ⅱ.lost butterflyが公開予定だ。シリーズは、今後もアニメシーンを牽引していきそうだ。
劇場版「Fate/stay night [Heaven’s Feel]」Ⅰ.presage flower
http://www.fate-sn.com/