クランチロールの兄弟会社フルスクリーンが定額課金配信サービス終了へ

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 米国のエンタテイメント業界情報の各メディアは、定額課金見放題の配信サービスFullscreen Mediaが、2018年第1四半期に事業継続を断念する方向であることを伝えている。報道によれば、11月15日(月)にCEOのジョージ・ストロンポロスがスタッフに伝えた。
 今後はクリエイターのマネジメントや、デジタルコンテンツの制作に集中する。NetflixやAmazonなどビッグプレイヤーの多い定額課金見放題の配信ビジネスから撤退する。

 Fullscreenは、2011年にジョージ・ストロンポロスにより設立された。もともとはYouTube向けの番組制作・配信会社としてスタート、日本でのユーチューバーにあたるクリエイターを組織化し、成功を収めた。
 その後、メディアコングロマリットのチャーニン・グループとAT&Tの共同出資会社Otter Mediaの子会社となり資本を増強。さらに2016年にその膨大なクリエイターとユーザーを基盤に、独自の配信サービスをスタートした。これが今回終了の方針を決めたFullscreen Mediaにあたる。手頃な価格と独自の個性たっぷりの番組を売りにしたが、激化する定額課金配信ビジネスで勝ち残れなかった。

 しかし、Fullscreenのビジネスは今後も成長を目指す。すでに、クリエイターマネジメントと番組制作のMcBear、デジタルコンテンツ制作のRooster Teethが成長している。今後はこの分野に力を入れる。
 Rooster Teethは、日本にアニメファンにもお馴染みだ。日本でも深夜テレビ放送と、3本の劇場番組が公開された『RWBY』といったヒット作を出している。

 一方で思惑違いとなりそうなのは、親会社Otter Mediaを運営するチャーニン・グループとAT&Tであろう。Otter Mediaはデジタルコンテンツの配信プラットフォームの集約を目指して、2014年に成立された。主要子会社はFullscreenと日本アニメ専門の配信プラットフォームのクランチロールを運営するEllationである。ふたつのサブカルチャー色の強い定額課金配信プラットフォームを保有していたが、その一角が崩れたことになる。
 Fullscreenが配信事業ではなく、コンテンツ制作やイベント運営、クリエイターマネジメントにシフトしたことは、そろそろ会員数も頭打ちでないかとも指摘されるクランチロールの戦略にも影響を与えるかもしれない。

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