絵梦、日中制作アニメ第3弾「Bloodivores」を2016年10月よりTOKYO MXで放送開始


東京・武蔵野市に拠点を持つアニメ会社の絵梦が、日本と中国のスタッフが制作したテレビアニメ『Bloodivores』を2016年秋より放送すると発表した。作品は中国の人気ウェブマンガを原作にした全12話シリーズで、2016年10月1日(土)21時から、TOKYO MXで放送開始する。

本作の日本展開をする絵梦は、中国・上海に拠点を持つアニメスタジオの上海絵界の日本法人として2015年に設立された。上海絵界は「HAOLINERS」のブランドでウェブ配信向けのアニメを多数制作している。中国で規制の多いテレビアニメとは一線を画した映像や表現で人気を博している。
絵梦は設立から1年に満たないが、様々なアニメビジネスで早くもアクティブに活動している。新設スタジオであるジェノスタジオとの協業や、6月にはアニメーションスタジオ・アートランドの出資などで話題を呼んだ。

HAOLINERSブランドのアニメシリーズの日本放送もそのひとつだ。日本のスタッフも多数制作に参加したセルアニメスタイルの作品を、中国から日本に持ち込み、地上波テレビ局で放送する。2016年1月から3月にまず『霊剣山』をオンエア、7月からは超能力バトルを描いた『一人之下the outcast』を放送、『Bloodivores』はその第3弾にあたる。
絵梦は日本での第1弾作品であるテレビアニメ『銀の墓守り(ガーディアン)』の制作をすでに発表している。それに先行してHAOLINERS作品を展開することで、日本での絵梦の知名度アップ、存在感の発揮も目指しているようだ。

近年、日本と中国のアニメビジネスのつながりが大きく変化している。以前は、制作では日本のアニメの作画パートのアウトソーシング先と面が強かった。また、映像ビジネスでは、作品の放送権、配信権などの販売先であった。
しかし、現在は、中国企業が日本のアニメ製作に出資する例や、日本のスタジオやスタッフに制作を発注するケースもある。さらに日本国内に自身のアニメスタジオを設けると、一歩先を行くのが絵梦である。日本と中国は企画・制作の段階から強く結びつきはじめている。こうしたビジネスの枠組みはまだ始まったばかりのため、どういう結果がでるかは未知数だ。しかし、今後大きなビジネスになるとすれば、絵梦は先行者として優位性を築く。それだけに関心も高い。

『Bloodivores』は、中国のウェブマンガサイト「テンセント動漫」でマンガ家・白驍が連載し人気を博した。世界に蔓延する謎の病とそれを抑制する薬の副作用で誕生した嗜血種がいる世界が舞台になる。廃都・青里に送り込まれた主人公のミ・リュウはモンスターと戦いながら、世界の謎を紐解いていく。
アニメーション制作はCreators in Pack、監督は日本でのアニメ制作も長い陳燁、このほか多くの日本のスタッフが制作に参加する。日本展開にあたっては、赤羽根健治、喜多村英梨らの人気声優を起用する。日本ならでは見どころになる。

『Bloodivores』
http://bloodivores.com/

原作: 白驍
監督: 陳燁(絵梦)
演出チーフ: 中邑正
色彩設計: のぼりはるこ(緋和)
美術監督: 海野よしみ
背景: プロダクションアイ
撮影監督: 木村実乃理
撮影: シャムロック
CG監督: 濱村敏郎
CG: ワイヤード
編集:制作プロデューサー: 石田貴久
設定制作: 松本義明
アニメーション制作: Creators in Pack
制作協力(演出・作監): NAMUアニメーション

絵梦
http://www.haoliners.jp/

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