「未来のミライ」がアニー賞に輝く 最優秀インディペンデント・アニメーション映画賞に

細田守監督

 細田守監督による劇場アニメ『未来のミライ』の海外での活躍がまた広がった。2月2日(現地時間)、米国ロサンゼルスのUCLAルイスホールにて第46回アニー賞の授賞式が開催され、最優秀インディペンデント・アニメーション映画賞(Best Animated Independent Feature)に『未来のミライ』が選ばれた。
 アニー賞は国際アニメーションフィルム協会ハリウッド支部が、前年米国公開されたアニメーションから優れた実績を残した作品とスタッフを選び顕彰している。広い部門を網羅していること、その権威の高さからアニメーション界のアカデミーとも称される。

 『未来のミライ』は、米国では2018年11月29日にGKIDS配給により780館で公開された。現地での評価は高く、これまでに米国アカデミー賞、ゴールデングローブ賞ほかおよそ20もの映画賞にノミネートされてきた。フロリダ映画批評家協会では最優秀アニメーション映画賞を受賞している。
 今回の受賞は米国ではこれに続くもので、さらに世界ではスペインのシッチェスカタロニア国際映画祭アニメーション部門最優秀長編作品賞に続く評価だ。

 アニー賞の最優秀インディペンデント映画賞は、2015年に最優秀アニメーション映画賞(Best Animated Feature)から分割するかたちで設立された。劇場公開の際のスクリーン数が1000以上のものを最優秀アニメーション映画賞に、999スクリーン以下をインディペンデントに区分する。ハリウッド大作以外や、海外作品にスポットあてる目的がある。
 2018年はこれによりメジャー公開とインディペンデントで長編部門に合計9作品がノミネートされた。このうち最優秀アニメーション映画賞の『スパイダーマン スパイダース』と『未来のミライ』が受賞に輝いた。『未来のミライ』は当初より有力作品の一角であったが、強力なライバルであった『スパイダーマン スパイダース』と『犬ヶ島』がメジャーにまわったことも、受賞に有利になった。

 アニー賞の作品部門の日本からの受賞は2002年の『千と千尋の神隠し』以来、日仏合作の『レッドタートル ある島の物語』も含めて3作品しかない。先頃のアカデミー賞、ゴールデングローブ賞に続く快挙と言っていいだろう。

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