U-NEXTホールディングは2021年10月14日に、2021年8月期通期連結決算を発表した。連結売上高は2083億5100万円(7.8%増)、営業利益156億800万円(43.4%増)、当期純利益は80億4400万円(63.9%増)と増収増益だった。
グループ内で映像などの配信プラットフォーム「U-NEXT」を運営するコンテンツ配信事業の業績も明らかになっている。売上高は599億5600万円(前年比30.7%)と、外資系も含めて同業で国内トップクラスだった。月額課金の単価が同業他社よりかなり高いことが理由のひとつである。営業利益も57億3100万円(667.7%増)とグループ内の業績に大きく貢献している。
前年比3割増の売上の成長は、コロナ禍における巣ごもり需要も一因だ。またコンテツの拡充も人気につながっている。業界トップクラスの作品数や、電子書籍の利用もセットなどの独自戦略も取る。期中はワーナー メディアと定額制動画配信における独占パートナーシップ契約を締結、放送チャンネル「HBO」と配信プラットフォーム「HBO Max」オリジナルタイトルなどを独占見放題での提供を開始した。
売上げの拡大を支えるのは、有料課金ユーザーが継続的に増えているためだ。2021年8月末は238万5000人で前年比18%増となった。また2000年11月末の152万9000人からは56%の伸びになる。
事業は一貫して成長しているが、四半期ベースでみると第4四半期は第1四半期に較べて営業利益が減っている。これはコンテンツ費用の増加、広告プロモーション費を拡大しているためだ。21年8月期は広告販促費に約85億円を投じた。
国内の動画配信プラットフォームは、依然数が多く激しい競争が続いている。そのなかでU-NEXTは今後も広告販促費を積極的に投入して新規ユーザー獲得につなげる。またコンテンツの充実と拡充を進める。今後は、音楽ライブ配信の本格化投入も検討するなど差別化を目指す。
2022年8月期も引き続きコンテンツ配信事業は成長を見込まれている。売上高670億円、営業利益69億円を予想する。U-NEXTグループ全体の牽引が期待されている。