世界的なイベントオーガナイズ企業リード エグジビション(Reed Exhibitions)のポップカルチャー分野での躍進が続いている。2017年10月23日、リード エグジビションは、英国最大のポップカルチャーイベント運営会社MCMの買収を発表した。リード エグジビションのポップカルチャー部門ReedPOPとMCMが運営するイベントの事業を統合する。
ReedPOPは、ニューヨーク・コミコンやPAXブランドのイベント、スター・ウォーズ・セレブレーションなどを保有する世界最大のポップカルチャーイベントの運営事業者である。一方MCMは、MCMロンドン・コミコンを筆頭に、英国内のバーミンガム、マンチェスター、グラスゴー、リバプール、ベルファーストの各地でコミコンイベントを開催する。その動員数の総合計は、年間約30万人に達する。MCMコミコンが加わることで、ReedPOPのラインナップは大幅に強化される。また英国での存在感をいっきに高める。
リード エグジビションは、世界的なイベントオーガナイザーで、国際番組見本市MIPCOMなど数々の大型イベントを主催する。長年、BtoB向けを主に運営してきたが、2000年代に入り、コミックや映画・テレビ番組、ゲームなどのファン向けイベントの成長性の高さに目をつけた。そこでポップカルチャーの専門部署としてReedPOPをスタートさせた。現在では30以上のイベントを運営する。
特に国際展開に熱心で、中国・上海、韓国・ソウル、インド・ハイデラバード、インドネシア・ジャカルタ、フランス・パリ、イタリア・ベネチアで、コミコンイベントを開催する。その成長は急激で、2006年にスタートしたニューヨーク・コミコンは本年の来場者数が過去最高の20万人(実数)を超え、推定来場者13万人から14万人の伝統あるサンディエゴ・コミコンを大きく上回る。いまでは全米最大のポップカルチャーイベントとなった。
イベントの成長は、個別イベントの規模に限らない。過去数年で開催イベントは急増しており、10月2日には2018年よりフィラデルフィアで新たにキーストーン・コミコン(Keystone Comic Con)を開催することを発表した。2018年9月14日から16日までペンシルヴァニア・コンベンションセンターで実施する。
また2014年には、オーストラリア最大のポップカルチャーイベント運営のOZコミコンも傘下に収めている。今回のMCM買収は、これに続くものになる。