イベント運営大手リード、クランチロールEXPO運営で提携

提携

 米国の日本アニメビジネス会社クランチロール(Crunchyroll)が開催するファンイベント「クランチロールEXPO(Crunchyroll Expo)」の運営を、リード・エグジビションを担当することになった。2019年11月20日にクランチロール (Crunchyroll Expo)が明らかにした。
 クランチロールは日本アニメのグロバール配信の大手として知られるが、近年は配信以外のビジネスの多角化を進めている。そのひとつがアニメイベントで、「クランチロールEXPO」は2017年にカリフォルニア州サンノゼでスタートした。日本のアニメ企業とのつながりを活かした多数の有名ゲストもあり、来場者数も年々増えており、人気イベントに育っている。
 両社の協力は、2020年から始まる。来年のイベントは9月4日から6日まで、サンノゼのコンベンションセンターを会場に開催する。イベントのプロデュースは引き続きクランチロールが行うが、運営はリード・エグジビションのポップカルチャー部門であるリード・ポップが引き継ぐ。

 リード・エグジビションは、世界的な国際見本市、コンベンションの運営を手がける企業としてよく知られている。リード・ポップはそのポップカルチャー部門として、ニューヨーク・コミコンやシカゴ・コミコン、スターウォーズ・セレブレーションと全米有数のファンイベントを開催する。近年はイギリスやオーストラリアのイベント買収など、積極的に事業を拡張する。
 北米での存在感の大きな日本アニメのコンベンションに、リード・エグジビションはかねてから関心を寄せていた。2007年からはニューヨークを会場に「ニューヨーク・アニメフェスティバル(New York Anime Festival)」を開催していたが、2011年を最後にニューヨーク・コミコンに吸収されるかたちで姿を消した。2018年にはロサンゼルスのアニメエキスポと連携するかたちで「Anime Fest @ NYCC x Anime Expo」を運営するが、ライバルの「Anime NYC」に押され気味だ。今回は「クランチロールEXPO」と手を組むことで、米国でも人気の高い日本アニメ・マンガのイベントをラインナップに加えることになる。

 一方で、今後のニューヨークのイベントの状況が気になる点だ。リード・ポップは毎年秋にニューヨーク・コミコンと同時開催で「Anime Fest @ NYCC」を運営する。同じ秋に開催される「Anime NYC」はクランチロールがスポンサーになっている。
 同じ時期に日本アニメ・マンガをテーマにふたつのイベントは、米国企業だけでなく、日本企業にも判り難いとされている。クランチロールとリードが結びつくことで、こちらもなんらかのかたちで一本化される可能性もありそうだ。

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