日本アニメの関連市場が、2016年に2兆円の大台を突破したことが分かった。アニメ関連の業界団体である一般社団法人 日本動画協会は、2017年10月24日に「アニメ産業レポート2017」を刊行した。2016年の業界動向やメディアごとの動向を報告、さらに「アニメ全作品年間パーフェクト・データ」を掲載する。
また本書の調査・レポートによれば、2016年の日本アニメ産業の市場は前年比で9.9%増と高い伸びで、2兆9億円となった。日本アニメの産業規模が2兆円を超えるのは、今回が初になる。
「アニメ産業レポート2017」は、日本のアニメ産業の実態を把握することを目的に2009年よりまとめられている。調査開始以来、7年連続で拡大、また過去最高を4年連続で更新している。
アニメ産業市場は、広義のアニメ市場とも呼んでおり、アニメの映像関連以外に、商品化されたグッズ、作品から派生する音楽やイベントなどに国内ユーザーの支払った金額、さらに海外でユーザーが支払った金額を推定、合算したものだ。
産業市場の成長は、海外でのニーズ、そしてアニメソンのコンサートや2.5次元と呼ばれる舞台などライブの成長に支えられている。海外市場は7676億円と前年の5833億円から31.6%の大幅な増加になった。近年の海外でのアニメ配信の急伸と人気が、市場の拡大も牽引しているようだ。
またライブ分野は29.5%増。こちらはアニソンライブや2.5次元舞台・ミュージカルの成長、さらにアニメ関連の展覧会・展示会が拡大している。市場規模は3年前の2.5倍にあたる。
映画市場も41.1%増と大きく伸びた。アニメ映画の市場は成長傾向を続けているが、2016年から2017年にかけて興行収入が250億円を超えた『君の名は。』の影響が大きかったとみられる。
日本動画協会は、アニメ産業市場に加えてアニメ業界市場も毎年算出している。こちらは国内のアニメ制作会社のアニメ関連事業からの売上高の合算となる。
2016年の金額は、2301億円で、前年比で14%増とこちらも高い伸びをみせている。しかし、その金額は市場全体の11%程度となっている。映像そのものに加えて、様々な二次展開の市場が大きなアニメ産業の特徴が現れている。
また日本動画協会は、「アニメ産業レポート2017」の刊行を記念したセミナーを11月8日に都内で開催する。執筆陣による発表、トークを予定する。
「アニメ産業レポート2017」の購入と提示で参加できる。当日は会場で一般 6,000円、学生 5,000円(いずれも税込)で販売も行う。参加は事前の申し込みが必要だ。詳細は日本動画協会のサイトで確認出来る。
「アニメ産業レポート2017」刊行記念セミナー http://aja.gr.jp/info/1101