エイベックスHD第1Q アニメ事業売上げ36億円 映像パッケージ減少で減収減益

ファイナンス決算

 エンタテインメントの総合企業エイベックス・グループ・ホールディングス(エイベックスHD)は、2017年8月10日に2018年3月期第1四半期の決算を発表した。
 連結売上高は324億4900万円(前年同期比9.2%減)、営業利益は11億6100万円(23.2%減)、経常利益は10億9800万円(18%減)、当期純利益は3億2200万円(32.7%減)となった。減収減益である。

 事業ごとの業績は、今期の決算では「avex group 成長戦略2020」に基づいた組織再編によりセグメントが大幅に変更されている。大きな点はアニメ事業、デジタル事業が新設されたことだ。従来の映像事業がアニメ事業に変更され、マイネジメント・ライブ事業を音楽事業が吸収、さらにデジタル事業を分離した。
 音楽事業にアニメ事業、デジタル事業を加えて主要3事業とする。エイベックスHDのアニメ重視が色濃く現れた。

 独立部門となったアニメ事業の第1四半期までの売上高は36億9600万円(前年同期比26.1%減)、営業利益は8億1200万円(44.9%減)である。前年同期に比べて減収減益になった。
 なかでもアニメパッケージの減少が大きく、前年同期の23億円から16億500万円と31.6%減、パッケージ以外の売上高は20億900万円(21.3%減)である。期間中のDVDとBlu‐rayの合算枚数は24万2000枚、前年同期は35万1000枚であった。
 劇場版『KING OF PRISM by PrettyRhythm』や『ユーリ!!! on ICE』の一部商品はあったものの、前年に大ヒットになった『おそ松さん』の反動がでたと考えられる。今期は第3四半期にあたる10月より『おそ松さん』第2シーズンの放送がスタートする。こちらは下半期の業績に期待がかかる。

 デジタル事業は成長部門だが、今期は売上減少からのスタートとなった。売上高は59億7500万円(20.4%減)、一方営業利益は6億2600万円と黒字転換している。これは映像配信サービスのうち不採算事業のサービスを終了したためとしている。
 エイベックスHDは17年3月期第4四半期にソフトバンクグループとの共同事業であったUULAを、18年第1四半期にゲオとの共同事業であるゲオチャンネルを終了している。現在は、dTVに映像配信事業を集中した。それでも会員数は終了サービスを除外しても第1四半期で473万人、直前期の512万人より減少している。競争が激化する映像配信サービスは正念場となりそうだ。

 主力の音楽事業は、売上高236億6000万円、営業利益は4900万円のマイナスだった。ライヴ動員数が増加したライヴ部門は売上げを伸ばし、音楽配信は前年同期並みとなったが、音楽パッケージ、マーチャンダイジング、マネジメントのいずれもが減収だった。

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