NHK×カラー、長編アニメ「龍の歯医者」 カンヌの国際番組見本市でPV初公開

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日本を代表する放送局NHK、そしてエヴァンゲリオンシリーズで人気のアニメスタジオのカラーが手を組み世に届ける話題作が『龍の歯医者』である。本作の初のPVがフランスのカンヌで開催されている映像コンテンツの国際見本市MIPCOMで公開された。現地の発表会場には、作品の制作統括をする映画監督の庵野秀明氏、製作に参加するドワンゴの代表取締役会長の川上量生氏も参加した。
またこれに合せて、NHKは、『龍の歯医者』の日本語と英語の公式サイトをオープン、作品の情報発信を開始した。サイトではMIPCOMで公開されたPVのほか、スタッフ情報、あらすじ、キャラクター紹介などが掲載されている。さらに国内での放送が2017年2月のBSプレミアであることも明らかにされた。

『龍の歯医者』は、もともとカラーとドワンゴの共同事業である「アニメ(ーター)見本市」の第1弾の短編アニメからスタートしている。8分間の映像は、より大きな構想の一端としてパイロットフィルムの役割も果たした。それをNHKが長編アニメの企画としてピックアップしたかたちだ。
「アニメ(ーター)見本市」は、才能あるアニメスタッフの表現の場として2014年にスタート。発表された作品から、より大きなプロジェクトにつながることも期待されていた。短期的な収益でなく、長期的視点を持ったアニメのアイディアを育てるプロジェクトである。

テレビ版では短編のモチーフを引き継ぎつつも、新たな世界観が構築される。監督は引き続きカラー所属の鶴巻和哉氏、原作を担当する小説家の舞城王太郎氏は脚本にも参加する。さらに脚本に榎戸洋司氏、キャラクターデザインに井関修一氏が加わる。
また『シン・ゴジラ』監督、エヴァンゲリオンシリーズの庵野秀明氏が制作統括だけでなく、音響監督を担当するのも話題を呼びそうだ。作品の長さは90分、テレビアニメだが映画と変わらない情熱と技術を注ぎ込むとしている。

発表の場となったMIPCOMは毎年、子ども番組専門のMIPJUNIORと併せて秋にカンヌで開催される。放送局や配給会社、制作会社、近年は映像配信会社の関係者が多数集まる。その数は約1万4000人、約2000社にも達する。
2016年は日本をテーマ国としていることから、日本関連のビジネスイベント、話題も多く設けられた。

『龍の歯医者』
http://www.nhk.or.jp/anime/ryu/

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