2006年にテレビアニメシリーズ『コードギアス 反逆のルルーシュ』でスタート、大人気を巻き起こした「コードギアス」シリーズが、2017年秋から一大プロジェクトでリブートを目指す。7月28日に劇場版3部作の正式タイトルと公開時期が発表された。
2017年10月21日に『コードギアス 反逆のルルーシュⅠ 興道』をまず公開、2018年2月に『Ⅱ 叛道』、同5月に『Ⅲ 皇道』が続く。配給は2012年から16年までの外伝『コードギアス 亡国のアキト』と同様ショウゲートとなる。
今回の劇場版は、ふたつのテレビシリーズ『コードギアス 反逆のルルーシュ』と『コードギアス 反逆のルルーシュ R2』を再構成したストーリーになる。一見、総集編とも思えるが、実際はそうしたイメージと相当異なるようだ。
劇場化にあたってはオリジナルスタッフが再び集まり、新作カットを追加したうえで再構成、アフレコも全編新規に実施する。テレビシリーズ『機動戦士ガンダム』と『劇場版 機動戦士ガンダム』3部作の関係に似ている。
ここで注目されるのは、現時点で公開館を79館と発表していることだ。『コードギアス 亡国のアキト』5部作の最終章「愛シキモノタチヘ」の36館スタートの倍以上となる。今回の劇場版はそれだけ大きなプロジェクトというわけだ。
『コードギアス 反逆のルルーシュ』が『機動戦士ガンダム』と異なるのは、テレビ放送終了からの期間の長さだ。第2期の『コードギアス 反逆のルルーシュR2』の放送終了からすでに10年が経っている。なぜこうした長い期間の後に、こうした企画が成立するのだろうか?
現在、国内のアニメーション制作本数は歴史上最高水準を続けている。新作アニメに対する需要が多いためだ。ところが制作拡大の一方で、原作の供給が追いつかない。マンガや小説も主要作品はアニメ化し尽くされ、現在は人気作が始まるとかなり早い段階でアニメ化が決定することが多い。
また制作本数が多くなれば、観客・視聴者獲得の競争も激しくなる。そこでファンの目を惹くには、すでに認知度のあるブランド力が重要になる。過去の大ヒット作からの新作は、そうした点ではぴったりだ。
劇場版製作は、2006年秋の「コードギアス」10周年イベントすでに発表されている。その際にはさらにサプライズプロジェクト『コードギアス 復活のルルーシュ』の企画も明らかにされた。谷口吾朗監督が『R2』の続編と考えてもらっても大丈夫とする本作が、劇場版『コードギアス 反逆のルルーシュ』からつながって行く可能性もありそうだ。
大型企画を成功させるには、これまでのファンの気持ちを再び熱くするだけには足らない。新しい世代のファンの獲得も必須になるだろう。そのための劇場3部作とも考えられる。
10月からはBS11で『コードギアス 反逆のルルーシュ』、『コードギアス 反逆のルルーシュ R2』全50話の再放送もスタート。秋には新宿マルイ アネックス、なんばマルイ、博多マルイの3都市でコラボストアもオープンと怒涛の攻勢だ。2017年に蘇る『コードギアス 反逆のルルーシュ』がどのようなインパクトを残すのか、アニメのブランドのあり方を考えるうえでも気になる動きだ。
『コードギアス 反逆のルルーシュ』劇場3部作公式サイト
http://www.geass.jp/L-geass/
『コードギアス 復活のルルーシュ』ティザーサイト
http://www.geass.jp/resurrection/