「小説 君の名は。」が100万部突破、映画より一足早く大台乗せ

「小説 君の名は。」

新海誠監督の劇場アニメ『君の名は。』が公開第6週目の週末で興業収入が91億円を突破、いよいよ100億円の大台越えが視野に入ってきた。すでに歴代邦画興行収入ランキングのトップ10に入る記録だが、100億円越えとなれば邦画アニメとしては宮崎駿監督作品以外では初となる大記録だ。
そんな空前の大ブームを巻き起こしている映画だが、関連書籍の売上も凄まじい。2016年6月18日に角川文庫より刊行された『小説 君の名は。』が、リリースからおよそ3ヵ月で100万部を突破する大ベストセラーになった。9月20日現在で売り上げは102.9万部に達している。丸善、ジュンク堂書店、文教堂、honto通販ストア、電子書籍ストアの週間売上高をまとめた honto総合ストアの週間ランキングでも、直近1週間(2016年9月11日~2016年9月17日)で総合1位とその人気ぶりが分かる。

『小説 君の名は。』は、映画の監督を務めた新海誠自身が執筆したのが話題だ。映画では語られなかった物語の背景も分かるとあり、人気を集めている。
一方で今回の小説は当初から異例尽くしだ。監督がアニメーション制作と並行して執筆、しかも映画のストーリーの結末が書かれた内容を公開よりも2ヵ月も先に発売した。映画の観客をあっと言わせた驚きの展開も早くから明らかになっていた。
さらに小説の売上は公開前までに50万部に達した。サプライズとされた映画大ヒット以前から、小説は圧倒的な支持を受けていたわけだ。小説版の人気は映画のヒットにつながり、映画のヒットはまた小説への関心に向かい大ベストセラーの実現となった。

映画のヒットと共に、『小説 君の名は。』の快進撃もまだ続きそうだ。さらに、『小説 君の名は。』以外の書籍の動きも注目される。KADOKAWAからは、本作以外にこちらも新海誠が書く、挿絵の入った角川つばさ文庫刊『君の名は。 』、主人公たち以外のキャラクターの視点から物語を描いた『君の名は。 Another Side:Earthbound』(角川スニーカー文庫)も発売されている。
さらにムック本として公式ビジュアルガイド『新海誠監督作品 君の名は。 公式ビジュアルガイド』、『新海 誠Walker』も刊行されている。月刊コミックアライブからはコミック版『君の名は。 (1)』と、KADOKAWAからだけでもバラエティたっぷりのラインナップだ。KADOKAWAによれば、小説と併せて総累計は182万部にもなる。
アニメは、メディアミックスの得意なジャンルとされてきた。なかでも『君の名は。』は書籍との相性がよいようだ。それはまた新海誠作品の特徴でもある。

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