総合エンタテイメント企業ブジロードの業績が当初見込みより、上振れしそうだ。2021年7月26日、ブシロードは5月13日に公表していた2022年6月期通期連結業績予想数値の修正を発表した。
当初は400億円としていた連結売上高を419億6600万円に約5%引き上げた。また営業利益も25億円から33億8800万円、経常利益は41億円から51億1200万円に変更した。
引き上げの理由のひとつは、収益認識関する会計基準の変更をしたことにある。モバイルオンラインゲームにおいて、顧客がゲーム内で利用する通貨により獲得したアイテムの見積り利用期間を短縮化したことで売上が増加し、さらに利益も伸びる。
もうひとつはトレーディングカードゲームの好調である。「ヴァイスシュヴァルツ」と「Shadowverse EVOLVE」の売上が前回予想を上回る。
さらに売上が伸びている海外向けで、為替レートが当初想定の1ドル=130円を上回る円安に動いたことで、為替差益5億6400万円を計上する。
一方でネガティブな動きもあった。出資するアニメ制作会社サンジゲンの証券評価額を見直し、投資有価証券評価損として特別損失9000万円を計上する。
ブシロードは2019年12月にサンジゲンの発行済株式の8.2%を取得していた。取得価額は公表されていないが、この評価金額を変えたとみられる。サンジゲンはブシロードの主力作品『BanG Dream!』のアニメ制作もしている。
また今回の発表時点では2022年6月期末最終日をすでに過ぎているが、当期純利益については業績予想をださなかった。現在、税務計算を行っており合理的な算定が困難なためとしている。
ブシロードは当初、7月26日に中期経営計画の発表を予定していたが、これを8月12日に延期している。これに合わせた動きとみられる。