東映アニメ、通期決算の売上・利益が過去最高 海外比率約4割

ファイナンス決算

 アニメ製作大手の東映アニメーションは、2017年5月12日に2017年3月期通期決算を発表した。業績は引き続き好調で、連結売上高は407億4700万円(21.2%)と初めて400億円台を超えた。営業利益101億3300万円(32.7%増)、経常利益103億6200万円(29.6%増)、当期純利益72億300万円(40.0%増)と利益面でも高い伸びを見せた。
 業績は各事業とも順調である。映像製作・販売、版権、商品のいずれの事業も増収増益となった。「ドラゴンボール」シリーズや『ONE PIECE』といった大型タイトルが国内外で好調だったことに加えて、引き続き海外ビジネスが成長している。売上げ全体に占める海外比率は前の期の34%からさらに上昇し、39%になる。売上高で約159億円になる。国内コンテンツ業界でも、とりわけ事業のグローバル化が進んだ企業になった。

 映像製作・販売事業は、番組制作とその販売から構成されているが、劇場アニメが大幅増収となった。市場拡大と伴に、国内の映像配信権が好調であったほか、海外向けの映像販売も好調だった。海外では中国向けの映像配信権のほか、「ドラゴンボール」シリーズの放送権、『ドラゴンボールZ 復活の「F」』や『ONE PIECE FILM GOLD』の劇場上映権が貢献した。
 「海外」、「配信」、「大型タイトル」が、17年3月期のキーワードになる。売上高は159億3900万円(13.8%増)、営業利益は34億9100万円(5.8%増)だ。

 版権事業は、放送権・配信権・上映権・ビデオグラム(Blu‐ray、DVD)以外のライセンス展開が含まれる。伸びは大きく、売上高181億9200万円(31.8%増)、営業利益は86億8200万円(41.0%増)。
 国内はスマホアプリゲームの『ドラゴンボールZドッカンバトル』と『ONE PIECE FILM GOLD』の劇場公開に伴うプロモーションが大きかった。海外も『ドラゴンボールZドッカンバトル』や中国の『聖闘士星矢』のスマホアプリゲームなどが支えた。
 商品販売事業は、『ONE PIECE FILM GOLD』のグッズなど。さらに海外のイベントでの物販も収益に貢献している。売上高は55億3100万円(18.8%増)、営業利益は1億8600万円だ。

 近年の東映アニメーションの好調な業績は、ますます同社を強くしそうだ。高い利益を背景に積極的なシステム投資や人件費を投入することで、制作のシステムや制作環境が大きく向上するからだ。2017年8月には、建替え工事の続いていた練馬区大泉学園の新大泉スタジオが完成する。管理システムを刷新し、製作プロセス管理も高度化される。ここが次世代のアニメ制作の拠点になるだろう。
 一方で2018年3月期は、同社初めての深夜アニメのCGテレビシリーズ『正解するカド』、日本に先行して世界公開する『劇場版 マジンガーZ』が目玉になる。今期(2018年3月期)の業績見通しは、劇場大型タイトルがないことから売上高330億円、営業利益67億円、経常利益70億円、当期純利益45億円と控えめだ。むしろ新しい挑戦がどのような結果を出すのかが、注目される。

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