「この世界の片隅に」北米公開8月11日に決定 Shout!とファニメーションの共同配給

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 日本では2016年10月に公開されロングランヒットを続ける『この世界の片隅に』の米国公開日が2017年8月11日に決定した。公開規模は明らかにされていないが、英語吹き替え版のほか、日本語音声英語字幕版での上映となる。また上映にあたっては、13歳以下の子どもには保護者の指導が必要とする「PG-13」のレーティングがつけられる。
 公開日の8月11日には、広島に原爆が投下された8月6日、太平洋戦争終戦の8月15日の間に位置する。映画のテーマとも併せて話題になりそうだ。

 映画はすでにShout! Factoryが北米配給権獲得を明らかにしていたが、さらにファニメーション(Funimation)が配給に参加する。ファニメーションは日本映画・アニメを得意とし、2017年4月には『君の名は。』を公開したばかり。311スクリーンでスタートした本作は、現在も上映が続いており累計興行収入481万ドルだ。メディアからの高い評価もあり、2017年に北米で公開された外国語映画では、インドの『Baahubali 2: The Conclusion』に続く興行収入第2位に位置する。
 2016年に国内では『君の名は。』と並ぶ話題になった『この世界の片隅に』が米国でどのような評価を受けるか気になるところだ。

 配給のShout! Factoryは、ジャンル映画を得意とする配給会社として知られている。SFやファンタジー、ホラー、コメディアーなどを多く扱っている。近年はアニメーションにも力を入れている。2016年には、各国のアニメーション映画祭で高い評価を受けたヨーロッパ作品『Long Way North』の配給が注目された。日本アニメでも『デジモンアドベンチャー tri.』をラインナップしている。
 一方でShout! Factoryは、これまではDVDやBlu-rayの発売・販売を中心としてきた。劇場ビジネスは必ずしも得意でない。ファニメーションは近年、劇場へのビジネスを進めており、『君の名は。』以外にも興収800万ドルを超えた『ドラゴンボールZ 復活の「F」』や『シン・ゴジラ』、『バケモノの子』といった日本映画を配給した実績がある。Shout! Factoryは、ファニメーションの協力を得ることで、配給と日本映画・アニメファンにアプローチする。

 国内では公開から半年が経った『この世界の片隅に』だが、海外での上映はこれから本格化する。6月にフランスで開催されるアヌシー国際アニメーション映画祭、そしてクロチアのザクレブの国際アニメーション映画祭「Animafest」のふたつで、長編部門にノミネートされている。
 フランス公開も2017年9月が決定している。また米国公開で、米国アカデミー賞へのノミネートの期待もかかる。2017年は『この世界の片隅に』が世界に広がる年になりそうだ。

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