一般社団法人映画演劇文化協会は、2017年4月20日に第36回藤本賞の受賞各者を発表した。藤本賞には劇場アニメ『君の名は。』から新海誠監督、川口典孝プロデューサー、古澤佳寛プロデューサー、川村元気プロデューサーが選ばれた。
また藤本賞・特別賞は2作品、『シン・ゴジラ』と『この世界の片隅に』をピックアップした。『シン・ゴジラ』からは山内章弘プロデューサーと佐藤善宏プロデューサー、『この世界の片隅に』からは丸山正雄プロデューサーと真木太郎プロデューサーである。
映画演劇文化協会は、日本の映画・演劇・映像の文化発展を目指して1947年に設立された。毎年映画製作に貢献した人物に藤本賞を、演劇分野で活躍をした人物に菊田一夫演劇賞を授与し、その功績を顕彰している。近年は、「午前十時の映画祭」の企画・運営でもお馴染みだ。
藤本賞は、東宝映画の社長も務め、「社長」シリーズ、「若大将」シリーズ、成瀬巳喜男監督作品などを世に送り出した藤本真澄を記念して命名されている。国内には映画賞は数多いが、製作者を対象にした数少ないアワードとなっている。
今年の藤本賞に輝いた古澤佳寛氏、川村元気氏は東宝のプロデューサー。川口典孝氏は『君の名は。』のアニメーション制作をしたコミックス・ウェーブ・フィルムのプロデューサーである。藤本賞は製作を対象にしているため、制作スタジオや監督は必ずしも受賞対象にならないが、今回は原作・監督・脚本を務めた新海誠氏も受賞となった。本作における新海監督、コミックス・ウェーブ・フィルムの役割の大きさも反映したかたちだ。
一方、『シン・ゴジラ』の山内章弘氏と佐藤善宏氏は東宝のプロデューサー、『この世界の片隅に』の丸山正雄プロデューサーはアニメーション制作のMAPPAからと真木太郎プロデューサーは企画・製作会社のジェンコからとなった。それぞれの製作体制を反映したかたちだ。
一般社団法人映画演劇文化協会
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