一般社団法人 映画演劇文化協会は、2023年4月18日に、第42回藤本賞の受賞者を発表した。藤本賞は映画の製作者(プロデューサー)を対象にした国内では珍しい賞で、劇場公開された映画の中から多くの観客の支持を受けた優れたエンタテイメントのある製作者を表彰する。
日本映画製作に大きな貢献をした藤本真澄氏の業績を記念して設けられて、毎年、実施している。第42回目となる今回は2022年1月より2023年3月末までの公開作品を対象とした。
藤本賞には、2022年12月3日に公開された『THE FIRST SLAM DUNK』のプロデューサーで、東映アニメーションの松井俊之氏が選ばれた。『THE FIRST SLAM DUNK』は手描きの味わいを残したCG映像が高く評価されただけでなく、興行収入が130億円を超える大ヒットになった。
また藤本賞・特別賞も東映アニメーションの作品『ONE PIECE FILM RED』からで、4名の名前があがっている。原作者で総合プロデューサーの尾田栄一郎氏、フジテレビの梶本圭氏、東映アニメーションの柴田宏明氏、集英社の髙野健氏。『ONE PIECE FILM RED』は2022年8月6日に公開、東映配給の作品としては、史上最高の197億円の興行収入になっている。
藤本賞・奨励賞は『ラーゲリより愛を込めて』からTBSの平野隆氏とツインズジャパンの下田淳行氏。辺見じゅん氏のノンフィクション『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』を瀬々敬久監督で映像化した。
2022年度の特徴は、新人賞を多く設けたことだ。3作品4氏が受賞している。アニメ『BLUE GIANT』は東宝映像事業部配給の中規模公開だったが、音楽を活かした映像が話題を呼び興行収入10億円を超えるヒットに。東宝の武井克弘氏と備前島幹人氏が受賞。さらに『死刑にいたる病』の深瀬和美氏、『仕掛人・藤枝梅安』は日本映画放送の宮川朋之氏が顕彰されている。
第42回「藤本賞」受賞者
http://www.eibunkyo.jp/fujimoto.html
■藤本賞
・松井俊之 (『THE FIRST SLAM DUNK』)
■藤本賞・特別賞
・尾田栄一郎/梶本圭/柴田宏明/髙野健 (『ONE PIECE FILM RED』)
■藤本賞・奨励賞
・平野隆/下田淳行 (『ラーゲリより愛を込めて』)
■藤本賞・新人賞
・武井克弘/備前島幹人 (『BLUE GIANT』)
・深瀬和美 (『死刑にいたる病』)
・宮川朋之 (『仕掛人・藤枝梅安』)