7月27日に発表された東映アニメーションの2019年3月期第1四半期決算が、引き続き同社の業績好調を明らかにしている。連結売上高は140億9200万円(前年同期比19.9%増)、営業利益47億8100万円(44.4%増)、経常利益50億6700万円(42%増)、当期純利益37億1100万円(42.4%)増と増収増益だ。
売上高と利益は、第1四半期ベースでは過去最高となる。過去最高の更新は3期連続となる。業績を牽引するのは、ゲーム化権と海外だ。とりわけ海外は、映像販売と版権で中国と北米が好調を支えている。第1四半期ベースとなるが、海外売上比率は53%まで拡大し、国内売上を上回った。
映像製作・販売事業は、売上高が50億9700万円(20.3%増)、営業利益が19億2200万円(110.8%増)である。制作本数が減少したテレビアニメ部門が5億8200万円と前年の9億3400万円から減少、ブルーレイ・DVDの売上げが減少したコンテンツ部門も減少したが。海外映像販売の拡大が補った。
海外映像部門は、中国向けの映像配信で大口販売本数が増加した。北米向けも映像配信権の複数年契約があり大幅増収だった。売上高は34億9800万円(53%増である。
劇場アニメが前年同期比で大きく伸び、1億4200万円。『映画プリキュアスーパースターズ!』と『デジモンアドベンチャーtri.第6章』にヒットが大きかった。
版権事業も伸びている。売上高は79億9300万円(24.8%増)、営業利益は37億100万円(23.9%増)と増収増益だ。
こちらは国内版権の伸びが特に大きかった。好調を続けるアプリゲーム「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」の稼動がさらに伸びて大幅な増収となった。「ドラゴンボール」の国内版権売上高は22億3600万円と全体の54%を占める。
海外版権も、「ドラゴンボール」シリーズの存在感が大きい。「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」や、家庭用ゲーム「ドラゴンボール ファイターズ」が好調。さらに新たなアプリゲーム「ドラゴンボール レジェンズ」の配信開始も大きかった。
東映アニメーションでは、2018年の第2四半期以降も大きなトピックスが続く。劇場ではこれまでのシリーズが大ヒットになっている映画『ドラゴンボール超 ブロリー』の公開が12月に控えている。
テレビシリーズでは、話題の『おしりたんてい』、10月からはマンガ・玩具連動型の新番組『爆釣バーハンター』が放送をスタートする。配信時期が明らかにされていないが、Netflixでの世界配信を予定する『Knights of the Zodiac: 聖闘士星矢(仮)』も大型タイトルだ。
さらに中国向けのアプリゲームはリリース予定が目白押しになっている。「ドラゴンボールZ 覚醒」「ドラゴンボール 最強之戦」「デジモン:相遇」が2018年、さらに「スラムダンク」「Dr.スランプ アラレちゃん」が控えている。
こうしたなかで大型ヒットが生まれれば、業績のさらなるサプライズもありそうだ。