アニメ製作のIGポートは、2017年4月14日に2017年5月期第3四半期決算を発表した。連結売上高は46億5600万円で前年同期比19.8%減、営業利益は1億9900万円(18.6%減)、経常利益は1億9800万円(12.4%減)といずれも二桁の減少だった。また純利益は2%減の9400万円であった。
出版事業は増収増益だが、映像制作事業が減収損失。版権事業は減収増益とまちまちだ。IGポートは通期決算でも、売上高、営業利益、経常利益の減少を見通している。
映像制作事業は、プロダクション I.Gのほかジーベック、WITスタジオ、さらに今期から本格的に作品のリリースを始めたシグナル MDなどのアニメーション制作が売り上げの中心になる。第3四半期の主要作品は、『ひるね姫~知らないワタシの物語~』、『黒子のバスケ 総集編』、『フューチャーカード バディファイトDDD』、『ハイキュー!! 』3期、『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』などである。
これらを含む第3四半期までの売上高は、25億8800万円(30.4%減)、営業損失は2億3400万円と前年同期の1億300万円より拡大している。IGポートは、これは来期以降の企画が進んでいることから売上の端境期となっていること、またクオリティを重視して受注を絞っているためとしている。
版権事業は売上高7億3800万円(16.5%減)、営業利益は2億4600万円(14.1%増)である。前年は『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』の劇場関連収入や映像ソフトの版権収入が大きかったがこの分がなくなったかたちだ。今期の主要な売上げは、『ハイキュー!!』シリーズ、『進撃の巨人』、『エヴァンゲリオン』、『魔法使いの嫁 OAD』である。利益の増加は、映像マスター減価償却が減ったためである。
出版事業は好調だった。売上高は10億5600万円(13.5%増)、営業利益は2億2300万円(39.0%増)。引き続きアニメ化作品の『魔法使いの嫁』、『あまんちゅ!』が好調であった。アニメ化作品以外でも、『とつくにの少女』、『もののべ古書店怪奇譚』の販売が伸びた。今後は、こうした作品の映像化も視野に入りそうだ。
またキャラクターの商品販売やスマートフォン向けアプリのその他事業が売上高は2億7200万円(0.4%減)、営業利益4200万円(20.1%増)と利益を伸ばしている。