国内シネコンチェーン大手のユナイテッド・シネマが、都内に新たな大型シネコンをオープンする。2017年4月29日に東京都港区台場の「アクアシティお台場内」に、13スクリーンからなるユナイテッド・シネマ アクアシティお台場を開業することを発表した。
ユナイテッド・シネマにとっては国内40館目の劇場となる。イオンシネマとTOHOシネマズに続く、国内第3位の映画興行チェーンが、大型シネコンのオープンで追撃する。
13スクリーンのうち1スクリーンはREAL Dのシステムを使った3Dスクリーンとなる。さらに夏をめどに、体感型の劇場システムである4DXシアターも導入する。アトラクション性も重視したシネマコンプレックスを目指す。
ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場は、新たな都内の大型シネコンの誕生となるが、同地区の劇場数としては実はこれまでとあまり変わらない。今回のシネコンは、2017年2月28日まで、TOHO シネマズがメディアージュとして運営していた施設をそのまま活かすと見られるからだ。
ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場の総座席数は明らかにされていないが、メディアージュと同じ13スクリーンのため、大幅な増減はなさそうだ。アクアシティお台場は、シネコンに隣接するフードコートも4月にリニューアルする。シネコンの運営母体の入れ替わりと共に、全体が一新される。
メディアージュを運営していたTOHO シネマズは、2017年秋に上野、2018年には日比谷に新たなシネコンをオープンする。相次ぐ新施設の立ち上げに伴う再編のなかで、メディアージュを閉館したと見られる。
ユナイテッド・シネマは、その施設を利用することでコストを抑えながら興行網を拡大することになる。観光地としても人気のお台場の集客力に目をつけたかたちだ。
一方で、ユナイテッド・シネマは近隣の東京都江東区のららぽーと豊洲にも12スクリーンのシネコンを運営する。湾岸地区だけで、25スクリーン5000席近い劇場を運営することになりそうだ。これだけのキャパシティを効率的に運営するノウハウが求められる。
2016年は国内劇場興行収入が史上最高を記録した。こうした状況を背景に、シネコン各社の興行網がさらなる拡大姿勢を強めるのか。業界動向も含めて、多くの関心を集める新オープンとなった。